アニメ3

出典: Jinkawiki

目次

アニメと外国の関係

 日本のTVアニメーションが諸外国に輸出されて以来、圧倒的な人気を誇っている。特にアメリカとフランスでは人気が高く「ジャパニメーション」や単純に「アニメ」などと呼ばれて親しまれている。全国にファンが存在しており各所でコスプレ大会などのファンイベントが行われている。近年では外国人が主に独学で日本語を勉強する際の教材としてアニメを用いたり、そもそも日本に来日する時の動機として「アニメのモデルになった場所に行ってみたい」、「日本で行っているアニメのイベントに行きたい」などが上げられることもある。2013年の日本の放送コンテンツ海外輸出額は約138億円であり、このうち、アニメが62.2%を占めるという結果も出た。


日本アニメの特徴

 外国では、「アニメ=子供の見るもの」という印象がありディズニーやカートゥーンなどのキッズ向けのアニメが発展していったが、日本ではアニメキッズ・ファミリー向けな滑稽ものや冒険ものな作品のみならず、ティーンから社会人(大人)まで対象年齢が広い風刺系や人情物、メロドラマ系の作品が多いのも日本製アニメの特徴である。アメリカ製のCGアニメは動物の表面に体毛を生やし、言葉を語らせ、ボディランゲージを加え、情報を大量に投入する傾向が強い。一方、「ポケモン」の人気キャラクター《ピカチュウ》を見れば分かるように、日本製アニメは「省略」を大事にしている。ピカチュウとサトシ少年の心が通じるのも、言葉を超えたコミュニケーションがそこにあるという事を視聴者に伝えている。

 ペイント、撮影、編集といった工程のデジタル化が主で、動くキャラクターや背景などの大半は、現在も2D、手描きの手法で制作されている。アメリカのアニメーション映画では、フォトリアリスティックな立体情報をコンピュータ演算で作り出すフル3D作品が主流となっていて、それとは対照的である。部分アニメという同一人物の口、目、手、足などを部分別のセル画にして撮影し、口だけではなく、あごなども動かすようになっているや手法やパンクスタイルという動画を繰り返して使用し(背景画を差し替え、全く別の場面として使用することもある)、連続作品あらすじの説明、ロボットアニメの合体、魔法少女等の変身、主人公などのセリフシーンで使用するといった手法を多用する。これには止め絵製作の手間を省くだけでなく、静止との対比で動きが鮮明になるといった効果がある。

 また、動作などもより自然でリアルに作成して言葉に関してもキャラクターによって台詞を変えたり、正義漢やあまのじゃくなキャラ、妹、姉系のキャラクターなど個性豊かなものがかなりたくさんあり、愛嬌があり、感情移入しやすい人間味のあるキャラクターが主人公であることが多い。一つとして同じものがなく、ストーリーに関しても現実と同じような日常生活を描いたものから 、非現実的な魔法を使う世界とか未来の世界、オカルト系のものもあり、人によって好きなものが結構偏る傾向にある。外国では、キャラクターはあまり現実の人間の形にはしっかりとなっていなくて、大雑把に作られています。また、キャラクターなども似たような感じのものもかなりありストーリーも非現実的なものが多い。また最近の日本アニメはシーズン毎に別れてアニメを作っている作品が多く、1つの作品の製作費用が海外のアニメの1つの作品の費用の何十分の1である作品が多くなってきている。


日本アニメの発達した理由

 日本のアニメがこれほど成長した背景には3つの要因がある。その中で一番大きいのは、日本独自のコミック文化である。漫画の出版部数はダントツで世界一であり群を抜いている。これを原作と用いることで手塚治虫以降のストーリーアニメは成立し、豊かな発想を持ったヒット作を生み出す母体となっている。日本の漫画文化の歴史は古い。鳥獣戯画や北斎漫画などの伝統があり、また一つのストーリーを長い巻紙に時間の経過に応じて絵を描き並べていく絵巻物、大衆向けの書籍である黄表紙本、瓦版など文字に絵を組み合わせた作品がきわめて豊富に江戸時代から流通していた。これがストーリー漫画の源流だろうと言われている。

 第2の要因は、テレビメディアである。テレビは安く早くアニメの登場を促した。スポンサーがつかなければ放映できず、視聴率が悪い作品はすぐ打ち切られるという熾烈な争いを勝ち抜いて世界へと進出したのである。

 第3の要因は、日本人特有の手先の器用さと勤勉さを有効に束ねて、優越的地位にあるテレビ局と粘り強く作品を制作し続けているプロダクションの存在である。さらに言えば映画産業の構造的要因もあるだろう。それは映画産業が1960年代には低迷期になったと言われてきたからだ。例に東映動画はこの時期に他の映画会社から多く人材が移ってきた。


外国で人気なアニメ

 ここでは特に諸外国の評価が高い作品を絞り込むものとする。

 スタジオジブリ:「もののけ姫」、「となりのトトロ」、「天空の城ラピュタ」、「風の谷のナウシカ」、「魔女の宅急便」、「千と千尋の神隠し」


 東映動画:「新世紀エヴァンゲリオン」、「銀河鉄道999」


 サンライズ:「機動戦士ガンダム」


 虫プロダクション:「鉄腕アトム」、「ジャングル大帝」、「リボンの騎士」


 タツノコプロ:「ヤッターマン」、「科学忍者隊ガッチャマン」、「みなしごハッチ」


 原作がマンガ、ゲーム、漫画、小説である作品:「鋼の錬金術師」、「ドラえもん」、「ポケットモンスター」、「イナズマイレブン」、「とっとこハム太郎」、「涼宮ハルヒの憂鬱」


 原作なしのオリジナルアニメ:「魔法少女まどかマギカ」、「ガールズパンツァー」


日本アニメの課題

 外国と日本では規制の差によって大きく異なっている部分が多々見られる。例として、アメリカでは子どもへの影響を考えて、アニメのなかで暴力シーンや性表現、喫煙、飲酒シーンなどを放送しないで規制を行うようにしている。その結果、アニメを日本からアメリカに輸出する場合、多くの修正を受けて日本本来のアニメが見れなくなってしまっている。この規制によって、日本で人気のあったアニメがアメリカに進出した際に、日本アニメの本来の素晴らしさが損なわれるという事態が起きてしまうのである。

 他にも、少子化等の影響でアニメーターやそれらを育てる専門学校の縮小も余儀なくされていることなども課題としてあげられる。またアニメーターの労働条件に伴う人材不足も問題として上げられる。2008年10月から2009年2月まで行った調査にて、アニメーターの労働時間や収入状況などのデータを収集した結果、アニメーターの労度時間は一日の平均労働時間は8時間+2時間の残業で10時間、休日は月に3.6日程度と休日が非常に少ない。平均年収は20代のアニメーターが110万4000円、30代が213万9000円と一般国民の平均年収を大きく下回る劣悪な労働環境の状況が明らかになった。日本のアニメーションはテレビが中心であり放送料金の安さから長年にわたって製作費のコスト削減を強いられているからである。

 さらに近年では行き過ぎたファンのマナーの伴ってない奇行も問題になっている。とあるアニメやその作品が好きな人間をインターネットの掲示板で批判したり、Youtubeやニコニコ動画のコメント欄に関係のない批判コメントの書き込みをしたりなどアニメそのものの評価を下げるような行為をする者も出てきた。例として「涼宮ハルヒの憂鬱」のモデルとなった学校に不法侵入し、無断で写真撮影をしたり、「ガールズパンツァー」にて実際に登場したフィギュアや金庫などを窃盗したといったものがある。


参考文献

 山口康男 日本のアニメ全史 世界を制した日本アニメの奇跡 テン・ブックス 2004年5月10日初版初刷発行 

 津堅信之 日本アニメーションの力 85年の歴史を貫く2つの軸 NTT出版 2004年3月30日 初版

 高橋公輝、津堅信之 アニメ学 NTT出版 2011年4月28日 初版 

 津堅信之 アニメーション入門 平凡社新書 2005年9月12日 初版

 叶精二 日本のアニメーションを築いた人々 若草書房 2004年1月28日 初版


 http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/1551-japanese-anime.html  http://primaryplus1.com/anime-top50  http://himo2.jp/185600http://murablog.jp/overseas/survey8ranking  

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