アノニマス

出典: Jinkawiki

アノニマスとは、匿名掲示板やコミュニティを通じて生まれた、匿名のハッカー集団である。

概要

アノニマス（Anonymous）は4chanなどの匿名掲示板を媒介に2003年ごろに形成した国際的なハッカー集団である。Anonymous（匿名）の名の通り匿名で活動を続けており、その正体の多くは謎に包まれている。ポルノ規制への反撃、ウィキリークスなどを抑圧する各国政府への攻撃など、情報の自由に対する脅威と彼らが見なしたものに対して大規模な攻撃を行っている。その活動はクラッキングからデモ活動の参加・煽動など幅広く、公の場に出るときは「抵抗と匿名の国際的シンボル」とされるガイ・フォークスの仮面を被る。また、アノニマスの特徴として「特定のリーダーを持たない」という点があげられる。

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起源

アノニマスは本来特別な個人や組織をさすものではなく、「情報の自由」という大義を共有する緩やかな組織団体であるとされる。その起源はアメリカの4chanという巨大画像掲示板（日本の画像掲示板「ふたば☆ちゃんねる」を模したもの）にあり、この掲示板に書き込む際のデフォルトネームがアノニマス（匿名）であったからである。4chan住人は日本の「2ちゃんねる」の住人と同じく年齢も職業もさまざまで流動的な存在であるが、緩やかなつながりのなかで、ことあるごとに特定の団体への抗議活動を行いはじめる。これは日本のネット上で行われる「祭り」、「炎上」などといったものに類似するが、大きな違いは、彼らは「情報の自由」という大義を持ち、これを侵害する者たちに抵抗するのであり、日本の祭りと比較すれば、一定の指針がある。

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思想と組織の実態

前述のようにアノニマスは「情報の自由を守ること」を大義とし、それを共有しさえすれば、大義遂行への手段は、合法、違法、調査報道まで幅広い。つまりアノニマスとは、情報の自由を守るという「大義」を名目に集合した実態無き理念集団なのである。故に、個々の作戦内での統率は取れても、アノニマス全体に組織性はあまりなく、それどころか、大義に共感仮面を被って宣言すれば、誰でも「アノニマス」として振舞うことが可能になるのである。また、彼らの情報技術を駆使してさまざまな問題を解決しようという思想はハック（hack）とアクティヴィズム（Activism）を足して「ハクティヴィズム（Hacktivism）」と呼ばれる。このハクティヴィズムを思考する団体としては、アノニマスのほかにウィキリークスなどが有名である。

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近年の活動

ここ数年の世界で起こった多くの出来事の裏でアノニマスが暗躍していたと言われている。例えば、2011年に起こったチュニジアのジャスミン革命では、インターネットを利用して市民が連絡を取り合い、大規模な革命行動を起こした陰で、政府のサイトに攻撃を仕掛けサイトをダウンさせ情報統制を妨害したという報道がある。同年のエジプト革命時はエジプト政府は検閲を行い人々の言論や宗教の自由が抑圧されていると非難し、エジプトの人々に対して、発言の自由や情報発信の権利を守るために現実世界とインターネットの両方の世界に置いて、共に立ち上がろうと呼びかけ、2月初頭にアノニマスは反政府活動を行なう人々の支援を受け、エジプト情報省とムバーラク大統領のウェブサイトを攻撃しオフライン化させた。また、2012年6月25日には違法ダウンロード刑事罰化に抗議するという名目で日本政府と日本レコード協会に対し“宣戦布告”ともとれる宣言をサイト上に公開した。アノニマスは現在インド政府サイトや同国のISPにサイバー攻撃を仕掛けた「#OpIndia」と同様、「#OpJapan」（オペレーションジャパン）として日本政府に対し大規模な攻撃を行うと予言している。

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