アファーマティブアクション6
出典: Jinkawiki
アファーティブアクション
アファーマティブアクションとは
黒人、少数民族、女性など歴史的、構造的に差別されてきた集団に対し、雇用、教育などを保障するアメリカ合衆国の特別優遇政策である。「積極措置」と訳されることがある。
アメリカのアファーマティブアクション
人種・ジェンダー・宗教・民族などをめぐる差別を廃止するための積極的な行動として40年における実績を積み重ねてきた。それは、より平等で公正な社会を実現するための公共政策であり、その具体化を推進する社会的実験装置である。この社会的実験は、憲法で保障された人々の権利を擁護し向上させるために、マイノリティを含むあらゆる人々に対する差別を改善し、男女による共同参画社会を積極的に推進してきた。この政策が目指したものは、人種・肌の色、信条・国籍・ジェンダーなどに関して過去において差別され抑圧されてきた様々なマイノリティの人々に対する補償であり、それによって将来においては差別のない公正な社会を実現していこうとするものである。具体的には、大学や大学院への入学・雇用・昇進などにおいて、過去に差別を受けてきた人々に対して「積極的に配慮する」ことによって生活の向上を実現しようとしてきた。当然ながら、これに違反する場合には社会的経済的制裁が伴い、連邦政府などから財政的援助を受けているプログラムなどでは、支援の削減や打ち切りが行われるとされた。
問題
アファーマティブアクションは、多くの地域で着実に成果をあげ、マイノリティの社会進出を支援してきた。しかしながら、このプロセスは円満に進められてきたわけではなく、その過程で様々な紆余曲折があった。とりわけ、差別され恵まれなかった集団に対する積極的な支援は、個人のメリットを軽視もしくは無視し、特定の集団を優遇することになるという批判がついて回った。これは、差別をなくすために特定集団に特別な優遇をすることで、本来評価されるべき個人が差別されるという批判である。これは保守派を代表する見解であり、アファーマティブアクションをめぐる「被差別」の問題として提起された。
参考文献 ポジティブ・アクションの可能性 2007 田村哲樹 金井篤子 ナカニシヤ出版