アフガニスタン2

出典: Jinkawiki

目次

アフガニスタン(Afghanistan)

正式名称:アフガニスタン・イスラム共和国 Jomhuri-ye Eslami-ye Afghanestan/Islamic Republic of Afghanistan

面積:65万2,225㎢ (日本の約1.7倍)

人口:2,916万人

首都:カブール

言語:公用語であるパシュト語、ダリー語(ペルシア語)の他、ハザーラ語、タジク語等

宗教:イスラム教(国教;主にスンニ派のハナフイ学派であるが、ハザーラ人はシーア派)


中央アジアの内陸国。北部はトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、西部はイラン、北東部は中国、南東部はパキスタンに接する。全体として高原、山岳が多く、北東部から北西部にヒンドゥークシュ、パロパミススなどの山脈が連なっていて、高いところでは標高7,600mに達する。カブールの北方あたりから6,000m級となり、コーヘババー、バンディバヤーン、セフィードクーなど各山脈と連なって国の中央部を東西に走る。この山脈を中心に四大水系が発達している。北流する諸河川を集めるアムダリア峡谷、西流するハリルード峡谷、南西流する諸河川を集めるヘルマンド川、中央から東流するカブール川が発達している。

国土の内訳は、約3分の1が6,000m級の山岳地帯、3分の1が緑地(農地)帯、残りは砂漠のような乾燥地帯となっている。

気候は地域により差が大きいが、乾燥した大陸性高原気候で風が強い。


住民の約40%はパシュトゥーン人で、約30%がタジク人、そのほかハザーラ人、ウズベク人が多く、6つの国と国境を接していることからも分かるように多民族国家である。

また、平均年齢は40~45歳と推定され、15歳以上が人口に占める割合は女性が約78%であるのに対し、男性は約48%にとどまって半数を切っており、生産年齢の男性の多くが戦争の犠牲になっていることがわかる。


経済・産業

農業・牧畜が主である。生産人口の約70%が農業・牧畜に従事している。アフガニスタンはもともと農業国であり、1970年代まではほとんどの種類の穀物が収穫でき、食料の自給自足が可能であった。とくにヒンドゥークシュ山脈の万年雪は大量の水を提供し、周辺に広がる緑地帯を潤して、豊かな収穫の源になっていた。

しかし、長期にわたる戦乱によって現在は国土のほとんどが地雷におおわれ、耕作を放棄された農地は荒廃して、緑地は極度に減ってしまった。

主に生産されているものとしては、小麦、綿花、サトウキビ、果物でカラクル種の羊の皮は主要な輸出品である。

農業以外の主な産業としては、北部では天然ガスが産出され,中心部では石炭のほかに銀や銅、ラピスラズリ(瑠璃石・青金石)や雪花石膏などがとれ、このような鉱物や絹を使った手工芸品が多く、アフガン絨毯とともに世界のマーケットを賑わせていたものの、現在では衰退してしまった。

鉄道がなく、道路および空路によって各国に通じている。

1979年のクーデターで共産主義政権が成立後、経済・軍事面で旧ソ連に依存してきたが、反政府のゲリラとの内戦により国土は荒廃してしまった。


シルクロードの交差点

歴史的かつ地理的なに、アフガニスタンは「アジア大陸の文化の十字路」、あるいは「シルクロードの交差点」だといえる。

西へ向かえば、ペルシャ(イラン)をへてギリシャに至り、東へ向かうと中国に達し、南へ進むとインドに入っていき、北に行くと中央アジアの遊牧民と出会うことになる。実際に、13世紀にはチンギス・ハーンの侵略を受けて、その殺戮と破壊によってシャーリ・グリグラ(嘆きの町)を生み出した。

多様な民族が行き交ったこの地は、文化の十字路でもあった。紀元前4世紀、ペルシャを滅ぼしこの地を通ってインドへ向かったアレクサンドロス大王の遠征はヘレニズム文化を生み、そのあとインドからやってきた仏教はバーミヤンの巨大石仏を生むとともに中国など東方に仏教が伝来していく基地となった。

その後、7世紀にはアラブ人によってイスラム教の布教がすすみ、この地も西アジアに広がったイスラム文化圏の一角となっていった




参考文献

外務省:「アフガニスタン基礎データ」,http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/afghanistan/data.html

レシャード・カレッド(2009)「知ってほしいアフガニスタン」,高文研


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