アメリカの人種差別4
出典: Jinkawiki
アメリカでは植民地時代の初期から黒人奴隷制が確立され、白人と明確に異なる扱いを受けていたわけではない。植民地時代の初期には、白人の年季奉公人が労働力として用いられることが多かったからである。黒人奴隷の輸入は17世紀初頭に始まったが、その後しばらくは、黒人と白人年季奉公人の間で、労働条件に大きな違いはなかった。むしろ、黒人奴隷の購入価格は年季奉公人の2〜3倍だったため、初期には年季奉公人がプランテーションの労働力の中心だった。しかし、時が経つにつれて黒人に対する依存度が高まっていった。 その理由については必ずしも明らかになってないが、年季奉公人が確保しにくくなった一方で、黒人奴隷の寿命が延びて採算に合うようになったという経済的な説明がされることがある。 現在の黒人をめぐる状況は決して良いとは言えない。今日でも黒人は貧富の格差や失業など困難な現実に直面しており、その社会的地位が白人と同等なところまで向上したのではない。これを変えるには、黒人の政治参加が不可欠となる。しかし、黒人の投票率は低い。人種差別の経験もあり、黒人の間で政治的有効性感覚が低いことが一つの原因である。 だが、近年のアメリカの黒人政治は徐々に性格を変えつつある。移民としてやってきた黒人の中には経済的に豊かな人も多く、民主党を支持する黒人とは共通性を持たないことも多い。さらに、そのような移民の黒人が、積極的差別是正措置を活用して名門大学に優先的に入学するなどして社会的地位を向上させている。