アメリカの学校制度

出典: Jinkawiki

概要

教育に関する権限が州にあるアメリカでは、地方分権を基本とした教育制度をとっている。就学前の保育プログラムは、大きく2つに分けられる。一つが公営によるもので、連邦政府が進めている保育事業のヘッドスタートプログラム及び、州政府や学区教育委員会の就学前教育プログラムであるキンダーガーテンとプリキンダーガーテンである。二つが、民間による保育プログラムで、幼稚園、保育所、家庭的保育、家庭内保育などである。キンダーガーテン(K)は通常公教育として小学校の一部に組み込まれており、K-12学年(日本の高校3年に相当)という制度設計になっている。義務教育の規定は州によって異なり、就学開始年齢は7歳が最も多いが、6歳児の大半が就学している。義務教育年限は9~12年で、9年または10年が最も多い。 初等・中等教育は合計12年で、その形態は①6-3(2)-3(4)年制、②8-4年制、③6-6年制、④5(4)-3(4)-4年制に分けられる。歴史的には8-4年制が主流であったが、その後6-6年制、6-3(2)-3(4)年制が増加し、近年はミドルスクールの増加により5(4)-3(4)-4年制が一般的になっている。 高等教育では、総合大学、それ以外の4年制大学、短期大学がある。総合大学は、教養学部のほか専門職大学院、大学院から構成される。それ以外の4年制大学は専門職大学院をもたない単科大学であり、主に教養教育を行うリベラルアーツカレッジが含まれる。短期大学には、コミュニティカレッジ、テクニカルカレッジ、ジュニアカレッジがある。大学の数は、第二次世界大戦後一貫して増加しており、2007年には機関数で4352大学、在学者数で1825万人に到達している。


育成しようとしている資質・能力

CCSSは、州によって基準の異なるパッチワークではなく、全米で共通な大学・キャリアレディネスを定義するスタンダードの枠組みを提供することを意図している。CCSSとは、大学の入門レベルのコース、職場での研修プログラム、キャリアでの第一歩での職務を遂行するのに準備ができたレベルの明確な知識やスキルを定義するものである。 CCSSは、教育改革運動で推進されているこれからのデジタル社会で求められる資質・能力(21世紀型スキル)をできるだけ反映させることに配慮している。 この21世紀型スキルには、 (1)学習とイノベーションスキル(批判的思考と問題解決、コミュニケーションと協働、創造とイノベーション)

(2)情報・メディア・テクノロジースキル(情報リテラシースキル、メディアリテラシースキル、ICTリテラシースキル)

(3)生活とキャリアスキル(柔軟性と適応性、進取と自己方向付けスキル、社会・文化横断的スキル、生産性・アカウンタビリティスキル、リーダーシップと責任スキル)

の3つがある。CCSSは、こうした21世紀型スキルで検討されている3つの構成要素の内容を含むものになっているという。


参考文献

松尾知明(2015)『21世紀型スキルとは何か-コンピテンシーに基づく教育改革の国際比較』明石書店 五島敦子 関口知子(2010)『未来をつくる教育ー持続可能な多文化社会をめざして』明石書店


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