アメリカの教育2
出典: Jinkawiki
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概要
世界第1位の経済力を持ち世界第1位の軍事力も持ち合わせている大国アメリカ合衆国。しかし、2012年度にフランスに本拠地を置く経済協力開発機構のOECDが世界65か国の15歳51万人を対して行った国際学力調査テストPISA(数学・読解力・科学の三分野で実施される)の結果によるとアメリカ合衆国の結果は科学が参加国中36位、読解力は参加国中24位、科学は参加国中28位と大国にしては停滞しているのである。(日本はそれぞれ7位・4位・4位となっている。)しかしアメリカ合衆国という教育格差の大きい国家の学力を図ろうとした場合に地域分布を見るとその原因がはっきりしているのである。生徒が裕福な地域に絞るとPISAでは全体3位にまで順位を押し上げることが可能だが、が逆に生徒の75パーセントが貧困層の地域に焦点を当ててみると一気に順位が32位にまで下がる分野もあるのである。アメリカ教育抱える問題は教育格差であることは言うまでもないのである。
義務教育
アメリカの義務教育は日本とは異なり各州ごとに一任しているのである。
義務教育が9年の州は全部で17州(アラバマ・アラスカ・アイダホ・コロラド・コネチカット・ジョージア・イリノイ・カンザス・ミネソタ・ミズーリー・モンタナ・ネブラスカ・ノースカロライナ・ノースダコタ・バーモント・ワイオミング・ペンシルヴァニア)である。
義務教育が10年州は全部で17州(アリゾナ・フロリダ・アイオワ・ケンタッキー・マサチューセッツ・ミシガン・ニュウーハンプシャー・ニュージャージー・ニューヨーク・ロードアイランド・サウスダコタ・ウェストバージニア・ルイジアナ・メイン・ネバダ・テネシー・ワシントン)である。
義務教育が11年の州は全部で6州(デラウィア・メリーランド・ミシシッピー・テキサス・インディアナ・オレゴン)である。
義務教育が12年の州は全部で9州(アーカンソー・オクラホマ・サウスカロライナ・バージニア・カルフォルニア・ハワイ・オハイオ・ユタ・ウィスコンシン)である。
義務教育が13年の州は全部で2州(ニューメキシコ・ワシントンD.C.)である。
また、上記の中で年限が同じでも義務教育の開始年齢も異なる場合はあるのである。
オルタナティブスクール
アメリカの教育で1960年代後半から1970年代にかけて、公立学校における中退者や怠学者に関する問題の深刻化を背景として従来の公立学校では十分な学習効果を得られない児童生徒のニーズにあった学習機会を提供するために特色ある教育プログラムを提供するオルタナティブスクールという学校が設けられるようになった。その概念は広くフリースクールやオープンスクールなどを包括している。一般的にはドロップアウトした者など通常の公立学校で十分な学習効果を上げられなかった生徒に対応したカリキュラムを幅広く選択できるようにしていたり、学習が個別化したりしている特色を持った学校が多い。また、特定の校舎を持たず普通の民家や工場を使って授業を展開している学校や、地域ボランティアを教員の補助として積極的に導入している学校もあるのである。
チャータースクール
1990年代に入って各州に設置がみられるようになったのがチャータースクールである。オルタナティブスクールと同様に特色のある学校ではあるがこれらが学区によって設置されている学校であるのに対してチャータースクールは親や教員、企業などが設立主体となって、公費によって運営されている点で新しいタイプの公立学校である。チャータースクールは州や学区の法令・適用が州や学区の認可(チャーター)によって免除され設置者が州や学区とかわす契約をもとに運営されるため、独自の理念や方針に基づいて柔軟な教育プログラムを提供することが可能になったのである。しかしながら、定期的に教育的成果を評価され、一定の成果を挙げない場合、チャータを取り消されることもあるのである。チャータースクールには2000年12月時にすでに全米で2150校が設けられており、約52万人が在学しているのである。
参考文献
文部科学省編 諸外国の初等教育(2002) 財務省印刷局
北野秋男編 現代アメリカに教育アセスメント行政の展開(2009) 東信堂
「アメリカ教育の最前線」 http://us-education-today.blogspot.jp/2011/01/oecd.html
「15歳の世界学力調査 PISAランキング2013年度版」 http://ameblo.jp/tekkanomaki/entry-11717074731.html