アメリカナイゼーション
出典: Jinkawiki
1.アメリカナイゼーションとは
アメリカナイゼーションとは、政治・経済・社会・文化の各面がアメリカ合衆国のようになる現象である。又、アメリカ合衆国の政治・経済・社会・文化を模倣したり嗜好したりする現象もいう。これは、アメリカ企業の製品が世界市場にばらまかれ、生活様式までが、アメリカ流に画一化されることである。その代表的なものがコカ・コーラで、コカコロニゼーションということばが生まれた。 経済史的には第1次大戦以後,特に50年代に大量生産・大量消費体制やそれを支えた技術や経営方法,市場のあり方を導入しようとした動きをさす。
2.無国籍化するファースト・フード
ファースト・フードの流行は、ネーションを超えた世界的な力、強力な資本力の現れである。同じ施設、同じ味で統一されるハンバーガーはアメリカから始まったアメリカナイゼーションを端的に示す二十世紀文化の本質を示している。ハンバーガーのアメリカナイゼーションは、資本が商業の形態をとりながら文化の様式を携えて世界を均質化する。強力な資本力をもって、企業が世界中でハンバーガーを販売し、それを消費者が購入するという商業の形態で、世界中が同じ施設で同じ味で統一されることによって、食文化が均質化する。
ファースト・フードが広まった理由は、①都市生活者の食事の仕方が気軽さを好むようになったことと、②家族の絆が緩み解体するなどの変化がある。 ①世界的に、都市生活者の食習慣の簡便化が、広がっている。一定の決められた形式の晩餐会が行われていた時代から、市民社会への移行に伴い、さまざまなタイプの宴会の形式を生む一方、プラーベートの時間の増大により、希薄になる傾向があった。 ②市民社会の発展につれて、都市にレストランが誕生したり、家族全員そろっての一家団欒の食事風景は以前よりも見られなくなった。そして、ファースト・フードの出現によって、家族の絆を希薄化し、都市という集合における人間の行動のパターンを変化させた。
だが、もちろん、家庭での食事、レストランや多国籍の料理の種類などは、世界中でも存在する。その中で、ファースト・フードというと、アメリカがイメージされる。しかし、そこにはアメリカナイゼーションと言うにふさわしい「アメリカ」の実体がなく、一種の無国籍な食べ物になっている。この無国籍さゆえに、どのネーションでも受け入れられ、世界的に広がりを得た理由でもある。つまり、アメリカナイゼーションというより、世界中で無国籍化が進行し、ネーション固有の文化の希薄化が促進しているのである。
3.アメリカへのあこがれ
アメリカ文化の影響は、マクドナルド、コカコーラ、ディズニーランドだけでなく、音楽、映画、娯楽、スポーツといった大衆文化はもちろんのこと、ほとんどすべての教養文化の面にも広く浸透し、私たちの意識に深い影響を及ぼしている。そして、政治的、軍事的には「反米」だとしても、文化的にはアメリカへの憧れは根強く、「アメリカ信仰」は人々の意識に、そして無意識にも根付いている。このように、世界はまさにアメリカナイゼーションの真っ只中にあり、世界文化は遅かれ早かれアメリカ化して、画一化して行き、個々のローカルな文化の固有性は失われ、現代文化はその存在の危機を迎えている。 ティーンの世代では、海外雑誌の有名モデルを真似したファッションが最先端という意識がある。メイクやファッションやヘアスタイルなども、海外モデルを手本にしている人が多い。日本のファッション雑誌を見ても、たいていはアメリカ人を真似したものであろう。最近では、H&Mや、FOREVER21という、若者向けの低価格なアメリカブランドが話題である。アメリカへのあこがれは、流行の情報に敏感な若者たちを筆頭に、世界中で、「アメリカ化」が進んでいるのである。
参考文献
「アメリカナイゼーション」 津田幸夫
世界中がハンバーガー http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/hanbarg.htm
(投稿者Ak)