アメリカ合衆国6
出典: Jinkawiki
「アメリカ合衆国とは」
・歴史
イギリス、フランス、ロシア、スペイン各国の統治下にあった植民地が独立してできた連邦共和国。それ以前にはほぼアメリカ全土に居住していたインディアンも名で知られる先住民族は、これらヨーロッパ勢力の進出によって大きな犠牲を強いられてきた。 建国はヨーロッパからの独立宣言が発せられた1776年。1787年には合衆国憲法が制定され、建国当初より自由選挙が行われた。
・政体
連邦共和制。各州が自治権を持つ。大統領は国家元首であり、政府の最高責任者である。任期は4年で、各州から選出された大統領選挙人により選出される。この制度には、人口の多い州に有利だという批判もある。立法府は各州の直接選挙によって選出された議員で構成される。議会は上院、下院の2院制。
・言語
公用語は英語。スペイン語が第2外国語で、広く普及している。
・宗教
建国当初より政教分離だが、人口の4分の3はいずれかの宗教に属している。キリスト教がほとんどで、ユダヤ教徒とイスラム教徒がそれぞれ2%ほど。
・人口統計
人口は約2億7000万人。ソビエト連邦の解体により、現在人口は世界第3位。最大の都市はニューヨーク市で、人口は730万人ほどだが、これにニューヨーク州南部、ニュージャージー州北東部の周辺地域を含めると850万人近くになる。 人種は多様だが、人口の80%はイギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、スカンジナビア半島、ポーランド、ロシアなどのヨーロッパ系白人。移民国家であるため、地球上のほぼ全ての人種が集まっている。総人口の12%が黒人(アフリカ系アメリカ人)他の少数民族はアジア系、ラテンアメリカ系、アメリカ全住民など。
<文化的特徴>
・考え方
それぞれの民族が自らの文化を頑なに守ろうとするあまり、外部からの情報を受け入れる余地が少ない。分析的な思考を重んじ、物事をすぐに抽象化する傾向が強い。伝統よりも革新を重視する傾向にある。普遍的ルールが尊重され、交渉にあたる担当者の意思よりも会社の方針が優先される。
・交渉術
客観的事実を並べたてるのがアメリカ流の交渉スタイル。民主主義、資本主義、消費者主義などのイデオロギーに影響されることはあっても、主観的な印象や感じ方に左右されることはほとんどない。
・価値観
アメリカ人の行動様式はユダヤ教とキリスト教の影響を受けているといわれているが、最近では個人主義や自民族中心主義の思想が高まりつつある。
・社会的公平さ
社会構造的な不平等はあるものの、個人の機会平等は法によって保障されている。マイノリティーに対して、かなりの民族的・社会的偏見があることは否めない。競争が社会の基本ルールと見なされているが、相互依存的役割分担の考え方も強い。優秀であること、決断力に富むことが高く評価される。人間的向上より物質的進歩が優先される。伝統的な男女の役割分担は急速に変化しつつあるが、給与・役職などの男女格差は今なお残っており、改善に向けての運動が続けられている。
・参考文献
① 『世界比較文化辞典』マクラミラン ランゲージハウス出版 T.モリスン、W.A.コナウエイ、G.A.ボーデン著書、幾島幸子訳
② 『比較文化辞典』明石書店 出版 関東学院大学国際文化学部比較文化学科 編集