アーティキュレーション

出典: Jinkawiki

基本的概念

アーティキュレーションとは、異なった教育段階や教育プログラムの諸要素や諸単位の間に存する相互の接続および相互依存を意味する専門用語で、20世紀に入って、アメリカ教育界で承認され、市民権を獲得してきた。アーティキュレーションという言葉は、本来、「骨と骨とを結ぶこと、あるいはその接合点」を表す解剖学上の"関節"と、「節をつける」という音声学上の"分節化”の二通りの意味を持つ。こうした語源的意味からして、アーティキュレーションはあるものとあるものを”つなぐ”と同時に”区別する”という不連続面を同時に有するものと考えられる。このことは、教育におけるアーティキュレーションを理解する上で基本となるものである。というのは、アーティキュレーションは、既存の学校や既成の教育段階をただ単に結びつけるだけにとどまらず、各学校段階を適切に区切り、区分するということも併せ含めて考えなければならない。


学校と大学の接続

接続関係に関する研究および実践が、最も早くから進展した分野が、学校とカレッジ間の接続関係である。大学への進学の問題は、垂直的な接続関係の典型的な問題であり、それらの研究および実践は、大きく、入学許可方針とカリキュラム上の連携に分けられる。一般的には、上級の教育機関を定めた入学許可方針や要件およびそれに伴う一連の手続きが、一方通行的に下級の教育機関との接続関係を規定してきたが、1960年以降、こうした傾向を改める動きが現れてきた。学校と大学とのカリキュラム上の連携の問題として、ハイスクールの後期とカレッジの前期の教育内容に重複が見られたり、教育ないようの脱落や欠落を意味するギャップも無視できないことが指摘されてきた。


主な問題点

教育の接続関係には、大きく2つの枠組みが考えられる。一つは、水平的な接続関係であり、異なった教育課程や学校制度、それぞれの課程や学校への選別や振り分けの問題が中心となる。もう一つは垂直的な接続関係であり、異なった学年レベルおよび学校段階の間の進級や進学に関わる諸問題である。いずれの枠組みの接続関係においても、学習の無駄な重複や反復、あるいは、学習の重要な部分の脱落や欠落といった欠陥が、いかに最小限にくいとめられるかといったことが、研究の中心的な課題である。


参考文献「高校と大学の接続ー入試選抜から教育接続へ」玉川大学出版社 荒井克弘編著

「現代アメリカ教育ハンドブック」 アメリカ教育学会編


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成