イエナプラン5

出典: Jinkawiki

起源

 イエナプラン教育は1923年イエナ大学の教育学教授だったペーターセン教授によっては提唱された。1924年に子どもたちが「根幹グループ」と呼ばれる異なる年齢のグループで教育を受けるという試みが始められたのがきっかけである。その後、オランダのスース・フロイデンタール・ルターが1955年にペーターセンのイエナプラン教育を発見し、研究が重ねられた。そして1962年にイエナプラン学校が建設され、それ以降急激にオランダに普及した。

特徴

・リビングルームとしての教室  

イエナプラン教育では、教室を「学びと生活の場」と考えており、クラスの子どもたちと、この子どもたちを指導する担任の教員(グループリーダー)とが一緒になって教室を自分たちでデザインする習慣がある。そのため、「教室」という言葉は用いず、「リビングルーム」の意味を持つWoonkamerという言葉を使う。

・根幹グループ

イエナプラン教育では、学年の違う子どもたちを混合して学級を編成する。3学年混合のグループを「根幹グループ」と呼んで、学校での様々な活動の基本単位としている。根幹グループは、4歳~6歳までの幼児グループ、6歳~9歳までの低学年グループ、9歳~12歳までの高学年グループの3つに分けられる。そして、こどもたちはそれぞれのグループで、年少・年中・年長の3つの立場を順に経験することになる。それに伴って、教えたり助けたりする立場、教えられたり助けられたりする立場というような役割を相互に体験できる。イエナプラン教育では、この立場や役割の交替を体験することによって真の意味でのリーダシップを持つ子どもが発見されたり、そういう能の発達が刺激されたりするきっかけになるとされている。

・サークル対話  

イエナプラン教育では、子どもたちがグループリーダーと共に輪を作って話し合う「サークル対話」を重視している。背景には、学校が単に知識を学ぶ場というだけでなく、生活の場として他の子どもや大人と関わる場であるという考え方がある。サークルを作り、グループリーダーや子どもたちが身近な距離で話をする機会をできるだけ多く設けることによって、毎日の生活の中で出会う当たり前の出来事を素直に伝えあい共有しあうことのできる環境を作ろうといている。そして、サークル対話は様々な目的を持っており、その種類もまたさまざまである。特定のテーマを決めずに自由に話合うオープン・サークル、前もってグループリーダーや一定の子どもが話題を準備した準備サークル、作文サークル、報告サークル、読みのサークル、観察サークル、などがある。

・循環する活動  

イエナプラン教育では、対話、遊び、仕事、催しの4つを基本活動と呼び、学校ではこれらの4つの基本活動がリズミカルに循環しながら行われることを目指している。この4つの基本活動がリズミカルに循環して行われるため、科目ごとの時間割を設けておらず、学習形態によってつくられる。対話は、サークルをつくって行われるものだけでなく、子ども同士、子どもと教員、教員同士、保護者と教員が積極的にコミュニケーションを図り、お互いの立場を考え理解しながら学校活動を進めていくことを目指す。遊びは、授業合間の中休みや昼休みだけでなく、学習活動の中に遊びの要素を取り入れることを積極的に認めている。仕事は、子どもたちがそれぞれ自分に与えられた課題を達成する自立学習、共同で課題を行う共同学習である。催しは、一般的な祝祭のほか、その学校の特別の行事、子どもやグループリーダーの誕生日、などのほか、毎週週末の最後の時間を1時間ほど利用して行なうミニ学芸会がある。

参考文献

リヒテルズ直子(2006)「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」平凡社

これが新しい教育法!?オランダで広まっているイエナプランとは? http://blog.share-wis.com/jena-plan


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