イギリスのEU離脱問題2
出典: Jinkawiki
<イギリス国民の不満>
2016年6月23日、イギリスで行われたEU離脱を問う国民投票では、離脱派が僅差で勝利、投票率は72.2%にも達した。このような結果になった背景には2009年に起きたユーロ危機がある。この時はユーロを使っていないイギリスもEU全体の経済安定のためのメカニズムへの参加を要請されこれに対し、イギリス国民は自分たちの税金がギリシャのために使われることに不満を持つようになる。また、シリア内戦による難民・移民の問題も離脱派が優勢になった要因である。これにより2017年末までに実施する予定だった国民投票は繰り上げて実施することになった。そして離脱派に多いのは仕事を奪われた貧困層である。これはEUでは人移動が自由のため生活水準の低いからイギリスに出稼ぎに来る労働者が多くいる。その出稼ぎ労働者が失業した場合、イギリスの失業保険を受け取ることができ、医療費も無償で受け取ることができるためイギリス国民は移民たちは自分たちの払っている高い税金で支えている社会保障を無償で受け取っていることに不満を持っている。
<離脱によって生まれる問題>
今回の離脱によってイギリスはスコットランド分裂というリスクを抱えることになった・
これはスコットランドがEU残留派だからである。またスコットランドの北側には北海油田があり、現在はイギリスのものだがスコットランドが離脱することによって排他的経済水域からスコットランドのものとなり、イギリスは経済的に苦しくなることが懸念される。さらにイギリスは核保有国であり、その所在はスコットランドのクライド管軍基地軍にある。スコットランドが独立し、EUに加盟することになればイギリスは核ミサイル搭載原潜の港を失うことになる。
<参考文献>
著池上彰 (2017)知らないと恥をかく世界の大問題8 角川文庫