イギリス3

出典: Jinkawiki

イギリス

19世紀まで「世界の工場」として世界に先駆けて産業革命を経験し、世界に冠たる植民地帝国として君臨してきたイギリスは、国内においても安定した議会制デモクラシーを順調に発展させ、第二次世界大戦後には包括的な社会保障制度を整備した。一方で、「イギリス病」という言葉に示されるとおり、20世紀半ば以降のイギリスは「衰退」の代表として語られるようになってしまった。それ故に1980年代以降のイギリスは、西欧先進諸国の中でも厳しい政策転換を経験せねばならなかったが、サッチャー、ブレアによる広範な改革によって経済的繁栄をとりもどし、21世紀初頭には再び世界の注目を浴びるようになった。

主要データ

・面積 24,3万平方キロメートル

・人口 6,411万人

・首都 ロンドン

・言語 英語(公用語)が大部分

・GDP 1兆6550億ポンド

・一人あたりのGDP 2万6731ポンド

欧州とイギリス

欧州連合の中でイギリスは、しばしば厄介なパートナーと言われる。欧州連合の黎明期には参加を控え、参加をした後はサッチャーが拠出金問題で他国を混乱させ、通貨同盟に参加せず、イラク戦争ではアメリカよりの姿勢を見せて欧州の和を乱した。しかし欧州統合に自らが参加することについては慎重だった。これが変化するのは相対的地位の低下と、大国諸国に比べ経済成長率が伸び悩んだことへの危機感からである。EEC加盟申請の二度にわたる挫折を経て73年にしばらく加盟が認められる。しかしながら、イギリス国民全体は欧州統合に積極的というわけではなく、保守党・労働党もともに党内に反欧州統合派(欧州会議派)を抱え込むことになる。労働党は80年代の差傾化の一時期EECからの脱退を訴えたが2000年代後半は、親ヨーロッパ姿勢を取り、EU内部で発言力を維持すること目指すようになった。ただし、国民のポンドへのこだわりの強さやイギリス経済の好調もあり、ユーロ加盟には慎重な立場を取っている。

そして、2015年5月デイビット・キャメロン首相率いる保守党が大勝しEU離脱へ向かう可能性が高まりこれからも目が離せない状況が続く。


参考文献

 英国b(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)基礎データ http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/uk/data.html

 森井裕一編 2012『ヨーロッパ政治経済入門』有斐閣ブックス

 羽場久美子 2013『EU(欧州連合)を知るための63章』明石書店

 保守党大勝!イギリスはEU離脱に向かうのか http://toyokeizai.net/articles/-/69167

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