イスラム教12
出典: Jinkawiki
7世紀の初頭にムハンマドが、アラビア半島のメッカで唯一神アッラーの預言者として創唱した宗教である。ユダヤ教やキリスト教の流れをくむ一神教である。ムハンマドが亡くなると、後継者としてカリフという人物が立てられた。しかしながら、後継者争いが生じ、諸派に分裂した。その中でもスンニー派とシーラ派に大別される。中国では清真教、フィフィ教などこれまで様々な呼称が使われてきた。しかしながら、これらの呼称は今日ではあまり用いらていない。これについて、聖典コーランでは「わたしはイスラムを汝らのための宗教として認承した」と述べられている。本来のアラビア語の「イスラム」とは、「神の意志や命令に絶対帰依・服従すること」を意味した。後には、広くそのような帰依の仕方を制度化することによる文化的社会的複合体をさすことばとなった。イスラム教徒を表す「ムスリム」とは、本来そのように「帰依した者」を意味したのである。イスラム教はまた仏教やキリスト教と並ぶ世界宗教であり、一般的に「世界三大宗教」の一つとして認識されている。1966年の統計では、世界の総人口33億6000万人のうち、ムスリムは5億3000万人といわれていた。その主な内容は、西アジアのアラブ諸国に3000万人、西アジアの非アラブ諸国に7200万人、北アフリカのアラブ諸国に6000万人、サハラ以南のアフリカ諸国に6000万人、スリランカ、ミャンマーを含むインド亜大陸に1億4500万人、東南アジア諸国に1億人、ソ連(現ロシア)に3000万人、中国に1500万人、バルカン半島に500万人、と世界各地に信者が存在する。また、世界人口の総数を60億人とするならば、増加率から考えると信者の数は9億5000万人であり、世界人口の6分の1に昇ると考えられる。
参考文献
中村廣治郎 (2012) 『イスラム・思想と歴史』 東京大学出版会
中村廣治郎 (1998) 『イスラム教入門』 岩波書店