インドシナ戦争

出典: Jinkawiki

第2次世界大戦での日本の敗戦により、インドシナへの復帰をはかったフランスと、ベトナム、カンボジア、ラオスの独立勢力との間で、1946~54年にたたかわれた戦争。

フランスとベトナム民主共和国との間で交渉が続けられたが、1946年3月にフランスはベトナム南部にコーチシナ共和国を成立させる。これは、事実上フランスの傀儡政権であった。12月にはフランス軍がベトナム北部において武力攻撃を開始し、戦争が勃発した。 世界は戦勝国米国・英国とソ連の対立がいよいよ本格化し、冷戦と呼ばれる時代に移っていたが、米英側に属するフランスとしては、共産主義者のベトナム独立を容認することは政治的にできなくなっていた。

1949年に中華人民共和国が成立すると、このインドシナ戦争も東西両陣営の対立という冷戦構造にとりこまれ、アメリカが、共産主義との戦いということでフランスを支援したのに対して、中華人民共和国はベトナム民主共和国を支援し、またクメール・イッサラやラオ・イッサラの中での共産主義者の比重も増大した。

このような国際化により戦争は長期化したが、東西対立に緊張緩和の動きが生まれた1954年になって、ようやく停戦に関する会議がジュネーブで開催されることになった。そして、この年の5月にベトナム北西部のディエンビエンフーでフランス軍がベトナム民主共和国軍に降伏したため、フランスもついに戦争による問題の解決を放棄せざるをえなくなり、同年7月にはジュネーブ協定が締結されて、戦争に終止符がうたれた。

しかし、このジュネーブ協定によってベトナムは南北に分断され、協定に調印しなかったアメリカが南ベトナムを支援したため、今度はアメリカに対する約20年にわたるベトナムの民族解放の戦いがはじまることになった。


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