インフレーション

出典: Jinkawiki

インフレーション

定義

特定の商品の値上がりではなく、全般的な物価水準が相当期間にわたって持続的に上昇し続けることをインフレーションと言う。

インフレには進行していくテンポの違いから種類分けが出来る。好況時に起こることが多いのだが、不況下にも関わらず物価の高騰が続くことがある。それはスタグフレーションと呼ばれる。 クリーピング・インフレーションは緩やかな(2~3%程度)物価上昇が続き、年に数%~数10%のテンポで急速に上昇していくのがギャロッピング・インフレーションを指す。短期間に爆発的に物価が上昇することをハイパー・インフレという。第一次世界大戦後のドイツがハイパー・インフレの例としてあげられることが多い。(大戦をはさんだ10年間に、卸売物価が1兆2616億倍にハネ上がるという、天文学的な数値を記録した。

インフレは原因の違いによって、ディマンド・プル・インフレーションとコスト・プッシュ・インフレーションの2つに大別される。ディマンド・プル・インフレーションは需要の拡大に供給が追い付かずに起こるものを指し、コスト・プッシュ・インフレーションは人件費や原材料・燃料費などの生産量が上昇したためにおこるものである。ただし、実際のところは原油などの輸入燃料や原材料の値上がりによる輸入インフレ、過剰な通貨供給に起因するマネーサプライ・インフレ、寡占市場で原価の下方硬直化が引き起こす管理価格インフレなど、原因や発生メカニズムは実に多様である。


影響

インフレによって、損する側の人間と得する側の人間との2つにわけることが出来る。インフレは物価が上昇するため、通貨そのものの購買力が以前よりも低下する。よって、土地やビルなどの実物資産を所有している人は、その価格が上昇するため得をする。また、住宅ローンなどを組んでお金を借りている債務者も、借金の負担が軽くなる分、得をする。その反面、定期預金などの預貯金やサラリーマンの給料を目減りさせるし、年金や預貯金に頼って生活を営む高齢者や、公的扶助に頼る生活保護世帯にも大きな打撃を与える。そのため、所得の不公平を拡大させることになってしまう。 為替への影響としては、国内の物価が高く、安い輸入品に頼ることが増えるため、輸入に必要となるドルを調達するために、円売り・ドル買いが増え、円安・ドル高となる。


参考文献

センター試験政治経済の点数が面白いほどよくとれる本 石井克児 中経出版

政治経済用語集 山川出版

畠山のスパッとわかる政治経済爽快講義 畠山創 栄光


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