エスペラント15

出典: Jinkawiki

エスペラントとはロドビコ・ザメンホフが開発した言語である。 エスペラントはこの言語の意味では「希望を望む者」という意味がある。 現在は世界で100万人の人々がこの言語を用いていると推定されている。 日本では二葉亭四迷が教科書を初めて作成した。

目次

概要

この言語は、初期は名称らしき名称はなかったがロドビコ・ザメンホフがエスペラント博士というペンネームを用いて発表したためエスペラントと呼ばれるようになった。ザメンホフは母国語として用いるのではなく国際交流などに用いる補助的な第二外国語というツールとして使うことを奨励した。 この言語は他の言語に比べると文法の特殊で独特な用法というものが少ないという特徴を持ち、これはザメンホフ本人が様々な言語に触れ、文法の特別な用法の必要性を検討したという過去から来ている。 この性質から他言語に比べ簡単に習得できるという側面を持ち、民族間の中立の言語としても異文化をつなぐ懸け橋として優秀な働きをするが、一時期ナチスに弾圧された。

言語としての特徴

つづりはローマ字であり、アクセントは最後から二番目の音節で固定されており、語尾の変化によって疑問・否定や未来や過去などの時制をかき分ける。7割がラテン系のルーツをくむ言語でドイツ語や英語を起源とするものも多々占める。 また、エスペラントは人口言語であるため公式にはどの自然言語とも類縁関係にないとされている。 つまりどの国の言語ではないがため、特定の人物が国際交流を図る際に不利な状況に陥る場合は少ない、 ということになっているが文法や発声法などヨーロッパ諸国の言語の影響が深くロマンス語を基礎として構成されているため、ヨーロッパ諸国の言語を全く知らない場合は習得が難しいともいわれている。 D.B.グレガーの研究によるとザメンホフが定めたエスペラント基礎単語の2612個の語根のうち、 少数のギリシア語由来や人工語彙を除いて純スラブ系は29個、純ゲルマン系は326個、純ラテン系は861個、ラテン系由来のゲルマン系は663個となる。 ラテン語の様に作文する際、自由度は高いので様々な文を作成する事が可能で、英語の様にSVO文系が圧倒的に多く形容詞が名詞の前に配置される場合が多い。

エスペラントの歴史

ロドビコ・ザメンホフが絶え間ない戦争に対して嫌悪感を抱くようになり、恒久的な平和を得るための手段として開発を始めたことがこの言語の歴史の始まりである。 様々な言語の文法に触れた結果、文法における特殊な用法は不要であるという結論に達しエスペラントの雛形であるリングヴェウニヴェルサーラを1878年に開発。後の6年間を様々な国の言語で描かれた詩集や物語文などの文学作品の研究をエスペラントの不具合の調整のために捧げ、ロシア政府の検閲により公表が遅れるなどのトラブルに見舞われつつも現在のエスペラントが開発された。 それ以降世界に徐々にエスペラントが浸透していき、1905年にフランスのボロールーシュルメールにて初めての世界エスペラント大会が行われた。以降、エスペラント語を国際連盟の作業言語にしようという動きがあったが、フランスの代表のガブリエル・アノトーの国際語が英語にとって代わられてしまう危機感から激しい反対を受け実現しなかった。そしてアドルフヒットラーはエスペラントが持つ人道主義・博愛主義を警戒し、迫害した。

 単語

最初のエスペラントの語彙は、1887年にザメンホフが出版した単語帳に記載された約900語である。 しかしながら、言語の使用者は必要に応じて多くの言語で国際的に最も使われている単語を取り入れて使うことが、文法規則(エスペラントの基礎・文法第15条)によって許されている。 1894年、ザメンホフは最初の5カ国語(仏・英・独・露・ポーランド)のエスペラント辞書を発表した。そのときから特に西ヨーロッパの言語から多くの外来語がエスペラントに取り入れられた。 全てのエスペランティストは単語を作る権利を有している。そのため同じ意味の単語が複数存在する場合もあるがエスペランティスト同士の会話で淘汰されていくため、最終的に一つの単語に収束する。 新しい単語を作るという事に対しては議論が生じており、新しい外来語を積極的に取り入れるべきであるのか、既存の単語を改変すべきであるのか、また、それに新たに意味を加えるべきであるのかなど、 様々な議題が存在する。

参考 http://www.jei.or.jp/ 一般財団日本エスペラント協会HP

エスペラント 岩波新書 著・田中克彦


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