オイリュトミー
出典: Jinkawiki
オイリュトミーは20世紀初頭ドイツの哲学者ルドルフ・シュタイナーによって提唱された身体芸術である。「オイ」はギリシャ語源で「美しい」の意味であり、リュトミーと結びついて、「動きが真・善・美のリズムと調和すること」を表す。
オイリュトミーは、目に見える形を表現したり、音を身体で表現したりするものであり、最初のシュタイナー学校がドイツに誕生した時から全学年にわたる必修科目とされ、始まりの時から子どもの教育とかかわり、シュタイナー教育の中で中心的な役割を果たしてきたものである。
例えば、みんなで円を作って並び、きれいな円を描くように歩く。これは、きれいな円を描くようにするには、前後や全体の様子を見ながら自分の立ち位置を修正したりしなくてはいけないため、協調性や責任感を育てる動きになる。
また、「あ」「い」「う」「え」「お」の母音や他の子音を、音の持つ表現を身体で表現したりする。言葉を発する時に、のど、口などの言語器官に生じる動きのプロセスを全身の動きへと変容させたものである。これは、シュタイナーが「動きは静止から始まるのではなく、動くものから静止が生じる」と言うように、根源的ないのちの動きを私たちの身体の中で生き生きとさせる動きとなる。シュタイナーはこれらを「見える音楽、見える言葉」とも呼んだ。
オイリュトミーをすることで、互いに聴きあう力も高められ、一人ひとりが自立しながら他者との関係を作っていくという、実践的な社会も育まれる。
参考文献:秦理絵子「シュタイナー教育とオイリュトミー」 学陽書房