オランダ ホームドクター制度
出典: Jinkawiki
オランダではホームドクター制度が採用されている。オランダに居住する間、ホームドクターが医療に関するすべてのコンタクト先となるので、自分のホームドクターを見つけ、決める必要がある。街のあちこちに普通のアパートで開業しているドクターがいる。 ほとんどのドクターやナースは英語が通じる。日本人の多い地域では日本語を少し理解できるドクターもいる。
ホームドクターを決める際には、身体の調子に関わらず、早めに一度訪問し、ホームドクターになってもらい、氏名・住所・電話番号・家族構成・病歴を伝えて登録する。また、予約方法、往診の手続き、夜間・週末・休暇時の連絡先を聞いておく。この時、ほとんどの場合、当番医センターの電話番号を教えてくれる。ホームドクターの開業時間以外は、当番医センターに問い合わせをすれば当番医、開いている薬局、病院がわかる。
病気になった時には、ホームドクターに連絡をし、予約を取って診察してもらう。診察の結果、投薬が必要な場合はドクターに処方箋を書いてもらい、薬局に持参して薬をもらう。(オランダは医療分業の国であるため、医師は診察して薬を指定し、処方箋を出すのみ。)検査が必要な場合は検査所、専門医の診察が必要、あるいは入院が必要な場合には、専門医や病院を紹介してくれる(紹介状)。
ホームドクターは何度でも変更することができる。ホームドクターを変更する場合には、その旨を健康保険会社に報告する必要がある。また、新旧双方のホームドクターに変更の旨を知らせ、医療記録を移してもらう。
このホームドクター制度は、一人の医師が何年にもわたって継続的に患者の診断をしてくれるため、より患者一人一人に適した治療が受けられる。しかし、風邪程度では、連絡してもすぐに診てもらえない場合もある。
日本とオランダでは病気に対する考え方が違う。日本では子どもが風邪をひいた場合、小児科へ行くと、咳止めや解熱剤などの薬を処方してもらえる。オランダでは風邪をひいたくらいでは薬は処方されない。発熱、鼻水などの症状は病気とたたかうために必要な反応なので、子どもが自分の力で病気を克服するのを待つ、というのが一般的なオランダのドクターの考え方である。