オランダ 低い国土
出典: Jinkawiki
オランダは九州と同じくらいの国土である(34,000平方km)。 その表面積の26%が海面下にある。 もし堤防(ダム)が無かったら、国土の65%が水で覆われることになる。
海面からもっとも低い地点は、南ホラント州のニューヴェルク・アーン・デ・アイセルである。 海抜-6.7m地帯である。 この地域は、北海が大嵐の最潮期には、海面より10m以上も低くなることがある。
海面下にある土地の全体平均水位としては、-3.5mである。 首都であるアムステルダムと、スキポール空港は海面下平均の水位にある。 7、8割の人口が、海面下に住んでいる。
オランダの海岸線は1800kmある。 そこに広がった砂丘やダムがオランダを侵食と水害から守っている。 これらの堤防がなければ、オランダの多くが水没することになる。
海岸線から広がった泥炭(ピート)の上に土砂が乗っているような国土である。
泥炭は石炭の前の段階であり、鉱石ではなく、泥である。
泥沼地に堆積した植物質が炭化してして生じたものである。
切り取って乾燥させると、燃料や肥料などにできる。
北海側のフリースラントには、この泥炭が表面に出た泥炭湿原が広がっている。 そこでは乾期に牧畜を行い、農業も可能である。
年間で農業を可能にするために、水を風車で汲み上げた。
それが干拓地(ポルダー)である。
埋め立てではなく、水を抜いたのである。
オランダにとって風車は、生活していくために必要なものなのである。
オランダの抱える問題としては、地球温暖化による海面水位の上昇である。 このことは脅威であるといえる。 海水面が今よりも、堤防よりも高くなることになれば、オランダは海になってしまうのである。
参考文献
長坂寿久 オランダを知るための60章 2007 明石書店
20,22,23頁参照