オランダの学校(小学校)
出典: Jinkawiki
オランダには校区がない。オランダの学校はそれぞれが強い個性を持っている。学校関係者もその個性を努めて強調している。それは、学校は一つひとつ違うものであるので、学校を選ぶのは親の自由であるからだ。歩いて買い物に行ける距離の範囲内に、3つも4つも学校があるので、選びたくなくても選ばざるを得ない、というのがオランダの学校である。
小学校に入学できる4歳になったら、市からその案内と市内の小学校のリストが送られてくる。その学校を訪問して校内を見て回ったり、モデル授業を受けたり、先生や生徒の話を聞いたりといった、オープンデーと呼ばれるものに参加して、学校を決定する。また、転入などの中途入学の場合は、親が学校を直接訪問し、校長先生などと相談をして決定する。
どうしても自宅の近くに子どもに相応しいと思われる学校が見つからない場合、つまり、自宅から一定距離以上の学校に通うことを余儀なくされた場合には、所定の手続きを取って申し出ることができる。これが認められた場合は、通学費の一部を政府が負担してくれることになっている。この補助は、学校選択の自由を保障するため、という考えに基づいている。
小学校の規模は学年で1クラスからせいぜい2クラスで、8学年ある。全校生徒数は、全国的に平均して250人である。
オランダの学校では、私立校も公立校も学費は同じくらいである。また、義務教育期間においては授業料は払わなくてよい。
かつては画一教育が学校教育の主流だった。それが1960年代の後半から、「画一から個別へ」という教育方針が定められ、「個別教育」へと変化してきた。オランダでは、子どもを取り巻く社会の変化に合わせて、子どもの個別の発達に焦点を当てた新しい学校教育の方法が試みられ、実践されている。個別教育を可能にしている要素として、「個別指導」「自立学習」「共同学習」がある。