オランダの教育6

出典: Jinkawiki

1.特徴 オランダの義務教育は5歳から17歳までの12年間であり、12歳までの7~8年間が初等教育で、基礎的なことを学ぶ。中等教育から進路別に分かれ、大学準備教育(VWO:6年間)と一般中等教育(HAVO:5年間)または中等職業教育(VMBO:4年間)に進学する。VMBOでは、介護・福祉分野、商業、技術、農業などの各分野を学ぶことができる。VWOとVMBOのいずれを選ぶかにより、事実上次の進学先として大学(WO:4~6年)を選ぶか、高等職業教育(HBO:4年間)選ぶかが決まる。現在、初等学校卒業者の半数以上がVMBOに進学する。オランダ国内での卒業証書がいずれも一定レベルに達したものであるということが保障できるような仕組みとなっているのである。また、オランダでは、憲法23条の中で「教育の三つの自由」が保障されている。 1、設立の自由 200人の子どもを集められれば、自分たちで学校を作ってもよい。 2、理念の自由 宗教色を出しても、他のことで特徴を出しても良い。 3、教育方法の自由 教育内容、教材の裁量権が自由。 など、教育の自由の伝統」がある。オランダの初等教育では、約4分の3は私立学校である。10%がオルタナティブスクールと言われる一般的な学校とは違った教育法を採用する教育機関という構成となっており、実に多様な教育がなされている。

2.イエナプラン教育 イエナプラン教育とはドイツで始まりオランダで広まった教育の形であり、学校を社会的な共同体として再編していくことの重要性を主張したものである。イエナプランの小学校では、ひとつのクラスの中に違う年齢の児童が混ざっていて、4−6歳児グループ、6−9歳児グループ、9−12歳児グループから構成されている。子どもたちは、3年間を同じ教室の同じグループリーダーのもとで年少・年中・年長の三つの立場を経験しながら過ごし、それを繰り返しながら小学校を卒業していく。4−6歳児グループでは、クラスが変わる新学期のときに、年長と、新しく入ってくる年少の子をペア制にする。イエナプラン教育では、朝や授業前などに、児童と先生で円になって座り、話し合う。サークルの中の子どもたちは、輪になって先生の話に耳を傾けたり、クラスの中の役割分担を話しあったり、輪の中心に置かれたものをみんなで観察したりする。先生は、ここでは「知識を教授する者」ではなく、「ファシリテーター」として存在する。また、イエナプラン教育では、子どもの自立性を尊重していて、授業も先生が一方的に児童に教えるのではなく、大半が自習型である。

3.参考文献

リヒテルズ直子著「オランダの教育 多様性が一人ひとりの子供を育てる」 平凡社

「オランダの個別教育はなぜ成功したのか—イエナプラン教育に学ぶ」(平凡社)

オランダの教育について https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/kuni/0602netherlands.html


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