オランダの教育7

出典: Jinkawiki

目次

学校教育制度

初等・中等教育

就学前教育は、4-5歳の幼児を対象に保育学校で行われていたが、1985年の初等教育法により保育学校が初等学校に統合された。初等中等学校には、初等学校(8年)と、これに続く大学予科学校(6年)、上級普通中等学校(長期コース3-4年)がある。このほか、見習い訓練制度がある。

義務教育

1985年以前は6-16歳が義務教育であったが、1985年から5歳に達した翌月から16歳になる学年の終了までとされ、11年以上になっている。実際には、通常5歳になる学年の当初から入学しているため(4歳入学)一般には12年間の義務教育となる。また 、1985年から16歳以降、全日制学校に通学しない場合は、18歳まで週当たり1日ないし2日のパートタイムで学校に通う義務が課せられるようになっている。

イエナプラン教育

1923年にイエナ大学の教育学教授であったペーター・ペーターゼン教授によって始められた。主に4-16歳の子どもたちのための教育方法である。1924年に子どもたちが「根幹グループと呼ばれる異なる年齢のグループで教育を受ける」という試みがきっかけとされている。その後、オランダのスース・フロイデンタール・ルターが1955年に、イエナプランを発見し、研究が重ねられ、1962年にイエナプラン・スクールが建設された。現在は、220校以上のスクールで取り入れられている。

根幹グループ

イエナプラン・スクールは、異年齢の子どもたちによって学級が構成されている。通常3学年に渡る子どもたちが、「根幹グループ(ファミリー・グループ」と呼ばれる学級に属する。 学級担任の教員は「グループリーダー」と位置付けられる。これにより、子どもたち自身で教え合う関係を構築することが出来る。教員は授業をせず、フォロワーとして支える。

4つのサイクル

スクールでの活動は、「会話・遊び・仕事(学習)・催し」の4つの基本活動を循環的に行う。会話は、サークルを作り、グループリーダー(教員)も子どもたちと共に参加して行われる。遊びは、教育学上の効果を期待したゲーム等の遊びのことで、企画されたもの、自由遊び等様々な形態が用いられる。仕事(学習)は、自立学習と共同学習の2種類があり、どちらも課題を意識し、それを達成するために行われる。催しは、週の初めの会、終わりの会、年中行事、誕生日会等で、喜怒哀楽の感情を共有し、スクールにおける共同体意識を育てることが目的とされている。

リビングルーム

生活と学習の場としてのスクールを目的とし、子どもと教員、保護者からなる共同体とみなし、子どもが大半の時間を過ごす場として、リビングルームとしての環境づくりを強調している。根幹グループでの学習で、家庭的な役割を学ぶ。子どもたちは、空間に対 して、責任 感を抱くようになる。

ワールドオリエンテーション

教科の区別がなく、総合学習の形態が用いられている。年間およそ8-9のテーマを決め、スクール全体で同じテーマに取り組む。基本的に、テーマである対象に対する子どもの問いかけを学習の出発点とし、自らの問いを整理し、それに対する答え探しの手順を話し合い、計画して学習を進めるプロセスで行う。グループリーダーは、ファシリテーターの役割を果たす。

参考文献

大蔵省印刷局(1995)『諸外国の学校教育(欧米編)』文部省 https://blog.share-wis.com/jena-plan pee


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