オーケストラ

出典: Jinkawiki

概要

オーケストラは主に以下のような楽器で構成されている。フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、ティンパニ、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。大がかりな楽興演奏の場合にはこのほかに、ピッコロ、コントラファゴット、チューバ、ハープ、コーラングレ、ドラム、パーカッションなどが加わることもある。オーケストラの中心になるのは弦楽器でひとつの楽曲を通してほぼ一貫して演奏し続ける。一方より特徴的な音色を持つ木管楽器や金管楽器はソロ(独奏)によって効果的に使われる。そしてトゥッティ(全奏)の部分ではすべての楽器が一体となって響き渡る。


発展の歴史

音楽の長い歴史の中で、オーケストラの成立は比較的最近の出来事である。その発展は、16世紀の末近くに始まる。この時代のオーケストラに用いられた楽器は、今日我々が知っているものとは異なって、ルネサンス器楽特有のリュート、コルネット、高音トランペットなどである。17世紀の作曲家たちは特に弓奏弦楽器を好むようになった。バロック時代のオーケストラは弦楽器グループを基本としながらも、時には他のジャンルの楽器を加えることがあった。しかし、ハープシコードだけは必ず付加されていた。

バッハ、ヘンデルの時代18世紀のはじめの時期に至るまでに、いくつかの楽器の改良が進み、演奏技術も向上して楽器の効果的な組み合わせが組織化されるようになった。基準的な18世紀のオーケストラでは、フルート、大小のオーボエ、ホルン、トランペットなどが弦楽器群と共存していた。基本的な楽器編成がこの世紀を通じて変わることはなかったが、作曲家たちの楽器の使い方に変化がみられるようになった。ラモーはフルート、オーボエ、ファゴットに魅力あるメロディを歌わせた最初の作曲家のひとりである。このようにして楽器の音色を強調する現代オーケストラの道が開かれていった。

ハイドンやモーツァルトの時代にいたると、ヨーロッパのほとんどの宮廷やオペラ劇場が専属のオーケストラを抱えるようになっていた。この時代の古典的なオーケストラはそれぞれ2本ずつのフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、それにティンパニ、さらに2郡に分かれるヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスから構成された。

19世紀のベルリオーズ、リスト、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウスといった作曲家たちは、各種の楽器のそれぞれの特徴的な音色に注目して、独創的な編成によるオーケストラを生み出すようになった。多彩な音色の変化を追求する作曲家たちの要請に応じて新しい楽器が多数開発されていった。

利用できる楽器の数が増えたことに応じて、作曲家たちはますます膨大な楽器編成による楽曲を作り出すようになった。この傾向は、マーラー作品のいくつかの譜面を見れば明らかである。例えばマーラーの交響曲八番にはピッコロ、4人のフルート、4人のオーボエとコーラングレ、変ホ調クラリネット、3人の変ロ調クラリネット、バス・クラリネット、4人のファゴット、コントラ・ファゴット、8人のホルン、4人のトランペット、4人のトロンボーン、チューバ、ティンパニ、バスドラム、シンバル、タム・タム、トライアングル、チャイム、グロッケンシュピール、チェレスタ、ピアノ、ハルモニウム、オルガン、2人のハープ、マンドリン、4人のファンファーレ・トランペット、3人のファンファーレ・トロンボーン、7人の声楽ソリスト、2つの混成合唱団、少年合唱隊、第一・第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのパートがあった。

19世紀の終わりから1900年の初頭にかけての過剰なまでの拡大傾向の後に、最近の作曲家たちは、芸術の面からも経済的な面からも、ほとんどの場合、純音楽的な要請にしたがって作曲する姿勢に回帰するようになった。ただし、当然のことながらオーケストラは今日もなお、聴衆の人気の高い18・9世紀の管弦楽作品をレパートリーの大半に取り上げて繁栄し続けている。


参考文献

ダイヤグラムグループ編著 皆川達夫監修『図解オーケストラの楽器』マール社

『吉松隆の図解クラシック音楽大事典』学研



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