オーストラリアの学校教育制度
出典: Jinkawiki
オーストラリアでは6州2直轄区において個別の教育大臣が任命されており、各教育省が教育行政を担当している。そのため、州によってカリキュラム、進学学年、学期制度が異なる。
学校教育制度概要
オーストラリアの学校教育制度は、就学前教育、6年間(または7年間)の初等教育、6年間(または5年間)の中等教育から構成されている。初等教育は1学年から6学年(または7学年)、中等教育は7学年(または8学年)から12学年で実施される。さらに中等教育は10学年までの前期中等教育と11学年と12学年の後期中等教育に分かれている。義務教育は原則6歳から15歳までで(タスマニア州は6歳から16歳)、通常1学年から10学年の前期中等教育修了までである。後期中等教育は、10学年で進学か否かを決定するため、中等教育修了試験への準備期間として位置づけられる。修了資格を取得することが高等教育進学の前提条件となる。
後期中等教育修了試験
オーストラリアでは初等教育修了試験と前期中等教育修了試験は実施されていない。後期中等教育を修了するためには、生徒は各州・直轄区の後期中等教育修了試験に合格しなければならない。後期中等教育修了試験には四つの役割がある。
① 資格試験としての役割。
② 高等教育入学選抜試験としての役割。
③ 中等教育の質を確保する役割。
④ 生徒の学習意欲を喚起する役割。
そして、後期中等教育において生徒は、各州・直轄区の規定(必修科目、選択科目、科目数)と希望の進路先の規定(大学・学部・学科の出願規定)を考慮し、後期中等教育修了試験に備える。つまり、11学年と12学年で選択した教科が後期中等教育修了試験の受験教科となる。
また現在、各政府は後期中等教育への進学率および修了率の向上を最優先目標の一つに掲げている。義務教育最終学年から後期中等教育最終学年までの残留率は77.1%にとどまっている中、大学入学への準備としてだけでなく、就職後も役立つ実践的な科目を提供することで、後期中等教育への残留・修了率向上をめざしている。
その他
オーストラリアの新学期は1月下旬から2月初旬に始まる。学年末は12月。4学期制(タスマニア州は3学期制)で週休2日制を採っている。各学期は約10週間で学期と学期の間には2~3週間の休みがあり、12月から1月にかけて約6週間の夏休みがある。
参考:オーストラリア教育改革に学ぶ/佐藤博志
オーストラリア・ニュージーランドの教育/石附実・笹森健