オールタナティブ教育

出典: Jinkawiki

目次

概要

「オールタナティブ」という言葉には、「何かに取って代わる」や「もう一つの別のやり方」というような意味合いがある。よって、オールタナティブ教育というのは、既存の教育に取って代わる教育という意味になる。ここで既存の教育といわれるのは、長い間習慣とされてきた、同じ年齢の子どもを一つの教室に集め、教師が教壇に立って、主に一方通行で知識を伝達し、子どもはそれを受け身に習う、という形式の教育と捉えることができる。オールタナティブ教育は、幾人もの教育者が、そのような既存の学校教育に疑問を投げかけて新たに生み出してきた何種類もの教育方法の総称である。

オランダにおけるオールタナティブ教育

オランダでは、これらのオールタナティブ教育のことを、一般に「刷新的な」つまり、「(古くなってしまったものを)新しくする」教育、という言葉を使って「刷新教育」と総称している。オランダでいう「刷新教育」というのは狭い意味では、世界的に「オールタナティブ教育」と呼ばれている、主として、20世紀初頭に出てきたいくつもの教育を指しているが、広い意味では、「刷新」は今なお全ての学校が行っているもの、と理解されている。国の教育制度改革が日本に比べて比較的柔軟に行われ、また、それぞれの学校で個別の必要に応じて常に新しい教育方法が取り入れられているオランダでは、教育というものは、時代と共に常に新しく刷新されていくもの、という考えが根付いている。そういった中で、モンテッソーリやシュタイナー等、世界的にも広く知られ、オランダでも多くの数の学校を持っているオールタナティブスクールは、オランダでは古典的な刷新教育と呼ばれている。オランダでは、教育の自由、学校設立の自由のため、教育方法の自由を最大限認めているため、多くのオールタナティブスクールが短い期間に広く普及する土壌を持っていた。どんな田舎町であっても子どもの学校の候補に挙がる学校の中に一つ二つのオールタナティブスクールが入るのが普通である。オランダにあるオールタナティブ教育の主なものは、モンテッソーリ教育、ダルトン教育、イエナプラン教育、シュタイナー教育、フレネ教育の5種類である。

オールタナティブ教育の種類

•モンテッソーリ教育(1907年~)

•シュタイナー教育(1919年~)

•フレネ教育(1920年~)

•ダルトン教育(1920年~)

•サマーヒル校(1923年~)

•イエナプラン教育(1926年~)

•クリシュナムルティ・スクール(1926年~)

オールタナティブ教育の共通点

一つには、科目ごとの知識達成目標を設定して、子どもをその目標に近づけるために育てるのではなく、子ども自身を出発点として、子どもの自発的な好奇心や探求心を刺激し、それぞれの子どもが持って生まれた独特の性質や能力に応じてその成長を助けるのが教育である、と考えていることである。また、もう一つには、いずれも子どもが置かれている生活環境、また、その延長線上にあるより大きな社会や世界との関わりを重視しているというところである。子どもを学校という隔離された世界に閉じ込めるのではなく、家庭、近隣、周りの自然界との関係、教師と子どもとの関係、子ども同士の関係等を通じて外界との関係に目覚めさせ、人間と人間とをつなぐ社会的な行動を学ぶことの重要性を多かれ少なかれ強調している。

参考文献・参考資料

『オランダの教育-多様性が一人ひとりの子供を育てる』リヒテルズ直子 平凡社

多様な教育を推進するためのネットワーク http://altjp.net/


tome.


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成