キャベツ

出典: Jinkawiki

キャベツの野生種は、イギリスのドーバー近くの白堊(はくあ)の壁・デンマークの海岸地帯・フランス北西部・その他ギリシャ各地に分布している。

キャベツは、古くから薬草と使われていた。キャベツの祖先はケールという植物で、葉が巻いていなくて、背が高くなるものである。日本では青汁の材料として広く知られている。ケールは、スペインのあたりに住んでいたイベリア人が野生のものを利用していて、その後、地中海沿岸に侵入してきたケルト人たちが栽培することによって、ヨーロッパに広まっていった。

キャベツという言葉の由来は、もともとケルト語でブレジックといって、キャベツの学名のブラシカ属オルラケアは、このケルト語からきている。 古代ギリシャやローマでは、薬草としてのキャベツの研究が行われていた。今でもたくさんの書物が残されている。 数学者であり哲学者であるピタゴラスは、「元気と落ち着いた気分を保つ野菜」と記していた。カトーという古代ローマの政治家は、「農業について」という本で、キャベツが胃に良いことを示している。 現在のように葉が巻いてあるキャベツはヨーロッパからアメリカに伝わって、様々なキャベツが誕生した。

日本へは江戸時代・宝永年間(1704年~1711年)に食用ではなく観賞用として非結球キャベツ(ケール)がオランダ人により長崎にもたらされ、その後改良を重ね19世紀はじめに現在の品種である葉牡丹(はぼたん)が作られたとされている。食用のキャベツができたのは明治時代のことで、文明開化とともに西洋料理が伝わった。そのとき、日本人の口にあうように作られたのが、食用の始まりである。ちなみに、トンカツもそのときに誕生した。このとき、トンカツの付け合わせにキャベツが盛られるようになり、生で野菜を食べるきっかけとなった。

日本で野菜といえば、煮物、漬物にして食べるのが当たり前とされていた。しかし、昭和30年代~40年代には急速に生野菜が食べられるようになっていった。日本には、外国から様々な野菜が伝わってきた。キャベツもそのひとつである。


参考文献

鳥取県 西部総合事務所 県民局 http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=120217


岩手キャベツ物語 キャベツの歴史と復興録出版実行委員会


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