キング牧師1

出典: Jinkawiki

公民権運動とは、1950年代後半から活発となったアメリカの黒人の基本的人権を要求する運動。1964年に公民権法が成立した。1863年の奴隷解放宣言、65年の憲法修正13条によってアメリカ合衆国の奴隷制度は廃止されたが、黒人は経済的な自立が困難であったため貧困が続き、黒人に対する差別はなおも続いた。特に南部諸州では黒人差別が強まり、差別的な立法が相次ぎ、黒人は職業や居住、教育などの自由を奪われ、選挙などの権利を事実上剥奪される状態となった。第二次世界大戦では黒人も兵士として動員され、戦後は平等な権利を求める声がさらに強まった。そのような中で1950年代に黒人自身の間で強まったのが白人と平等な諸権利を要求する公民権運動であった。そしてその公民権運動に携わったのがキング牧師である。

目次

キング牧師という人物

1929年1月15日、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)は、アメリカのジョージア州で誕生した。彼は公民権運動の指導者であり、黒人の人種的差別の歴史の中でとても活躍した人物。頭角を現しだしたのは1955年後半からである。1955年12月、アメリカにおいてバスに白人優先席というものがあった頃、黒人だからという理由で白人男性に席を譲ることを拒否した一人の黒人女性が逮捕、拘束された。彼女は、のちに公民権運動の母とされたローザ・パークス。そしてこの事件の裁判を機に、バスのボイコット運動が黒人指導者たちによって組織された。この抗議運動の指導者として選ばれた人物こそ、当時まだ26歳のキング牧師であった。

キング牧師のスピーチ

1963年8月28日に行われたワシントン大行進は参加者が20万人を超える大規模なものとなり、公民権運動家や芸能人など多くの著名人も参加した。その場においてキングは、リンカーン記念堂の前で有名な“I Have a Dream”(私には夢がある)を含む演説を行い、人種差別の撤廃と各人種の協和という高邁な理想を簡潔な文体で訴え広く共感を呼んだ。当該箇所の演説は即興にて行われたものといわれるが、アメリカ国内のみならず世界的にその内容は高く評価され、1961年1月20日に就任したジョン・F・ケネディの大統領就任演説と並び20世紀のアメリカを代表する名演説として有名である。

キング牧師の生涯

1929年生れ、バプティスト派牧師。 1955年12月モンゴメリーで発生したローザ・パークス逮捕事件(バスの黒人席に座らなかったために逮捕された)に抗議して、モントゴメリー・バス・ボイコット運動を指導1956年最高裁判所のバス車内人種分離法違憲判決を勝ち取る。 1963年、人種差別撤廃を求め、20万人以上が参加したワシントン大行進を行う。     このワシントン大行進で、演説 “I Have a Dream”(私には夢がある)を行い、人種差別の撤廃と各人種の協和という高邁な理想を簡潔な文体と平易な言葉で訴え、広    く共感を呼んだ。 1964年ノーベル平和賞受賞。 1968年4月4日、テネシー州メンフィスのモーテルのバルコニーで暗殺された。

参考文献

辻内鏡人・中条献(1990)『キング牧師~人種の平等と人類の愛を求めて~』岩波新書


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