クチ・トンネル
出典: Jinkawiki
クチ・トンネル
クチ;ホーチミン市から北西70キロ離れた市
ベトナム戦争でアメリカ相手にゲリラ戦を挑んだ南ベトナム解放戦線が根拠としたトンネル。
トンネルの総延長は、250km以上であり、アリの巣状に張りめぐまされている。
周辺の16の村を結び、一時期は一万人以上の人が暮らしていた。
ベトコン(VIET NAM GONG SAMの略=ベトナム共産)とクチの人々の手によって掘られ、今も保存されている。
[トンネルの工夫]
入口;いたるところにあるが、目立たないように葉っぱがかけられている
体の大きなアメリカ兵が通れないように入口は狭い
内部;地下3m、6m、9mと三層に分かれている
一番上の層でも100kg爆弾に耐えられる
敵の浸入を防ぐためのトラップを仕掛ける
トンネル内で行われたこと;作戦会議、炊事、病人の手当、
兵士の服の製作、武器の製作
アメリカ相手にベトナムは、まともに戦っては勝てなかったかもしれないが、
地下に潜ってゲリラ戦を展開した。トンネルの中には槍が入っている落とし穴など
ベトナム人がお金をかけずに知恵で工夫をこらしていた。ベトナム人はアメリカ兵を
恐れていただろうが、きっと敵地に出兵してきているアメリカ兵も、いつ死ぬかわからない恐怖でつねに怯えていただろう。
おそらくクチ・トンネルが存在していたことはアメリカ軍も知っていた。
しかし中に入るのは非常に危険であり、困難で見て見ぬふりをしていたのではないか。
今ではベトナムは観光客が多く訪れるほど経済的にも向上してきて戦争の面影は
ほとんど見られないが、ここでは歴史に残る大きな戦争が起きていたのだ。
ベトナム戦争を実際に知る人がいなくなってもクチ・トンネルはこれからも
戦争の恐ろしさを語り継ぐのだろう。
(またクチ・トンネルはツアーなどで実際に中を通ることもできる。)