グノーシス主義2

出典: Jinkawiki

目次

グノーシス主義

グノーシス主義とは、2世紀から3世紀にかけて地中海周辺やヘレニズム地方で流行った言葉である。そもそもグノーシスとは古代ギリシャ語で認識・知識を意味する言葉であり、物質と霊や真の神と偽の神といった二元論を特徴とする。知識・認識という言葉からあるように東洋のような現世利益的が強い信仰ではなく、知的探求知性の至上化をベースに発展してきた思想である。1950年代のメキシコで生まれたニューエイジ思想にこの名を冠したものがあるが、実質的な関連はなく、名前を借りていただけであるとされている。グノーシス主義は便宜的に「主義」と言われることが多いが、実際には特定の宗教として体系化・組織化されたものではない。


地域別にみるグノーシス主義

地域から見たグノーシス主義の展開においては、地中海沿岸のローマ帝国領に広がった西方系とイラン、メソポタミア側に広がった東方系に分けられることがある。西方系のグノーシス主義はキリスト教を取り込んで成長していった。そのため西方グノーシス主義は「キリスト教グノーシス派」などと見なされる。東方グノーシス主義は、マニ教が代表であるが、ゾロアスター教などの二元論的宗教の影響のもとにもなったとされている。イラン、インドの古くから存在する神々やその神話をも取り入れた。


グノーシス主義の二元論

グノーシス主義の代表的な思想の中に、反宇宙的二元論というものがある。この世界は相反する二つの原理で成り立っているとする二元論と、物質で構成された世界を認めない反宇宙論がある。


現代におけるグノーシス

宗教伝統としてのグノーシス主義は一旦途絶えたが、グノーシス主義者を名乗るグループが現代にもみられる。近現代で最も著名なグノーシス研究者と言えば、心理学者で分析心理学の創始者カール・グスタフ・ユングが挙げられる。ユングは道教や仏教など各種の宗教や神話を研究し、人類の集合的無意識という概念を提唱した。グノーシス主義は、オカルティズムの分野にも影響を及ぼした。知性を価値とするキリスト教異端思想としてのグノーシス主義は多くの神秘主義者、例えばブラヴァツキーの神智学や、ルドルフ・シュタイナーの人智学にその痕跡を見ることができる。

参照 https://dic.nicovideo.jp/a/

投稿者 F.N


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