グローバリズム
出典: Jinkawiki
グローバリズムとは、地球を一つの共同体として考え、世界の一体化を進める思想である。1970年代に環境、天然資源、人口問題、開発など地球規模で解決しなければならない問題が多数顕在化し、それらを意識化し、優先的に扱わなければならないという運動及び研究として現れた。例えば、ホールディングの「地球船宇宙号」がある。地球船宇宙号とは、地球上の資源の有限性や適切な使い方を考えるために、地球を一つの宇宙船とたとえたものである。規範的な研究としては、平和、発展、人権、環境といった価値を地球規模で実現できるようなことを考える「World Order Models Project」のようなものがあり、科学的な分析としては、ローマ・クラブの「成長の限界」など研究が行われた。1980年代後半には、地球の一体化がさらに進み、グローバリゼーションという言葉が用いられるようになった。 グローバリズムは、地球を一体のものと捉えて、どのように解決していくかというものである。国家単位の国際政治や地域を主体とする地域主義などの地球規模ではない考え方と対比して考えるものである。しかし、グローバリズムはこれらの考え方と必ず矛盾するわけではない。地球規模の問題を解決していくには、国際組織、国家、地域との協力して、解決に取り組む必要があるからである。
参考文献
政治学事典 2004年 猪口孝、大沢真幸、岡沢憲芙、山本吉宣、スティーブン・R・リード 弘文堂
対立の世紀 グローバリズムの破綻 2018年 著者 イアン・ブレマー 訳 奥村準 日本経済新聞出版社