グーテンベルク2
出典: Jinkawiki
グーテンベルクは印刷術の発明者として知られているが、その実像は謎につつまれ、彼についての確実な記録は唯一、訴訟の記録としてしか残っていない。
グーテンベルクは、従来「あわれな発明家」といわれてきたが、それによると、グーテンベルクは極度の完全主義者とされ、そのため、幾多の実験を繰り返すうちに資産を失い、それでも発明への希求やみがたく、未だ完成していない発明を担保としてマインツの商人、ヨハン・フストから金を借りた。
フストはこの貸付の回収として、ほぼ「完成」していたと思われる活字と印刷機器を没収し、活字工も彼に雇われてしまった。『グーテンベルク聖書』と称される『四十二行聖書』の完成はグーテンベルク自身ではなく、フストが没収した6台の印刷機とこの活字工によってなされ、彼らは印刷業者として繁栄した。
一方、グーテンベルクには工場とわずかな機械部品しか残らなかった。それらの機械をつかって、彼は印刷の事業を続けたが、フストのような商才はなく、取引も拡大できなかったため、晩年は細々とした年金生活であったと伝えられている。
印刷機が登場する以前は、ほとんどの書物は手書きで、数も少なく、聖職者や学者、裕福な人たちしか読むことができなかったが、活版印刷術によって、書物が大量に、安く、速くつくられるようになると、多くの人々の手に書物が行きわたるようになり、知識は急速に広がり、歴史の流れまでも変えた。
参考文献
・グーテンベルクの謎
・グーテンベルクの銀河系