ケアマネジメント
出典: Jinkawiki
ケアマネジメントの始まり
ケアマネジメントは、1950年代アメリカで生まれたと言われてる。アメリカではこの時期には精神障害者が地域で暮らすようになってきていたが、適切な援助がないためにホームレスになるなど必ずしも病院や施設より生活の質が向上したとは言えないことが明らかになってきていた。その反省を生かし、ケアや支援の継続性を確保するために、サービスを調整する役割が重要視されるようになった。
1960年代に入り、要介護高齢者の在宅支援の仕組みとして、ケアマネジメントが応用されるようになっていった。その後、イギリスや多くの国でケアマネジメントが検討されていった。イギリスでは、全国的にケアマネジメントが導入されることになった。日本でも、2000年から始まった介護保険の中でケアマネジメントが位置づけられた。また、障害の分野でもケアマネジメントは実質的に実施されてる。さらに、児童虐待などの分野でも応用されいる。このように、日本だけではなく世界的にさまざまな分野でケアマネジメントは注目されてきたのである。
ケアマネジメントは、歴史上アメリカから始まった。しかし、ケアマネジメントという言葉は使われてはいないが、日本の中では1960年代から保健、医療、福祉の連携の問題として、独自に発展してきている。また日本では、介護保険の中にケアマネジメントが位置づけられたが、イギリスには介護保険は存在しない。このように、ケアマネジメントはさまざまな制度の違いにもかかわらず、いろいろな国で受け入れられてきたのである。
ケアマネジメントの必要性
ケアマネジメントが必要なのはどうしてなのか、まず、ニーズの不明瞭性が挙げられる。例えば、夏の暑い日にお婆ちゃんの入浴介助を手伝っていると、脱がせても脱がせても、まるで十二単(じゅうにひとえ)を着ているかのように服を二重三重に着込んでいる場合がよくある。客観的に見て彼女は本当は暑いはずであるが、意識できないでいるのである。また、痴呆老人が先ほど十分に食事を摂っている筈なのにもかかわらず、食事を食べさせてもらっていないと訴えてくる。彼は客観的には満腹の筈ですが、空腹を訴えてくるのである。この様に基本的ニーズでさえ不明瞭となっているケースがあるのである。この結果、アセスメントの結果として「実は貴方は暑いはず」「実は貴方は満腹」といったことを顧客に伝えることとなる場合もあるのである。それ故にアセスメントの結果についての本人の納得性は低いと考えられるのである。
次に調達資源の多様性であるが、現代の複雑化した地域社会には多くの介護サービス提供機関、ボランティア、近隣住民等々、フォーマルなサービスもインフォーマルサービスも存在している。これらのサービス資源についての情報を持ちアクセスが迅速にでき、サービスを組み合わせること(サービスのパッケージ化)が実際のサービス提供に不可欠であるが、これについても知識や経験が必要と考えられる。つまり、素人では無理いうことである。
参考文献:『介護支援専門員標準テキスト』(財)長寿社会開発センター 1998
『介護情報Q&A』小竹雅子 岩波書店 2007
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