ケインズ経済学2
出典: Jinkawiki
1. ケインズ経済学が生まれた背景
ケインズは、「雇用・利子および貨幣の一般理論」を主張した人物として世に知られている。ケインズの考えは、古典派の経済学において、節約による資本の蓄積によるものが社会を発展させる原動力とみなされていたものとは全く対照的なものであった。ケインズの理論においては、消費の多さが資本主義の運命を握るカギとされている。すなわち節約こそが資本主義の疲弊とみなしている。これらは、それぞれの悪徳が美徳とされまた美徳が悪徳とされている。今までの考え方は、資本主義社会の発展上昇期においては、生産は常に需要に比べて不足がちであり、生産力の建設が何よりも根本的に要求されていた。そのために、富を蓄積することで、生産力に投資することによって、社会の発展につながると考えられていた。これによって、節約というものは個人的のみならず、社会的にも美徳となりえたのである。 しかし、資本主義の高度化した社会においては、社会の生産力はもはやその社会の消費需要によって消化することができない程度までに発展した。消費の増大こそ、この生産力を生かす道であり、節約は生産力を無駄にするだけにすぎない、節約をしてもそれを投下すべき余地はもはやきわめて乏しいものへとなる時代へと移り変わっていった。この技術の発展こそがケインズ経済学を誕生させたということができるであろう。
2.「雇用・利子および貨幣の一般理論」
これは普通簡略かして、「理論」と呼ばれているが、ケインズはこの書物の表題をただ普通に「理論」と命名しないで、とくに「一般」という接頭語をつけたことについて、今までの経済学は完全雇用の経済を対象に構想された理論であったが、自分のは、完全雇用も不完全雇用もともにふくめた経済の一般構造に関係する理論だと主張した。つまり、今までは完全雇用という社会の一部だけで理論づけられていたが、ケインズは完全雇用も不完全雇用の社会の全体から理論づけたということがわかる。ここらも時代の流れを感じることができる。
3.ケインズ主義と福祉国家
ケインズ主義はケインズ経済学による市場への介入を主張するものである。ケインズの理論である社会の発展していく技術や生産力を積極的に使っていくべきであるという考えが、政府が積極的に経済に介入していくという大きな政府にてんかんするべきだということをより強めることと同時に福祉国家の誕生をかのうにしたと考えられる。しかし、今日では大きな政府が民間による経済の発展を阻害しているものだとして評判が悪いが、福祉国家は反市場主義ではないので、必ずしも経済成長と背反するものではないと言われている。
4.参考文献 近代経済学研究会著 昭和59年 マルクスとケインズ 世界15大経済学 富士書店 http://note.masm.jp/%A5%B1%A5%A4%A5%F3%A5%BA%BC%E7%B5%C1%C5%AA%CA%A1%BB%E3%B9%F1%B2%C8/