ゲリラ化
出典: Jinkawiki
ゲリラとは
ゲリラは、戦線を作らず、小規模の部隊に分かれ、会戦を徹底して回避して、小規模な襲撃や待ち伏せ、敵方の施設破壊等の後方攪乱によって戦争を継続する方法、そのような展開になった戦争、さらにそうした戦争を行なう組織を言う。ゲリラ戦とは、予め攻撃する敵を定めず、戦線外において小規模な部隊を運用して、臨機に奇襲・待ち伏せ・後方支援破壊等の攪乱や攻撃を行う戦法、またはその戦法が用いられた戦闘を指す。ナポレオンのヨーロッパ征服時にスペインの民衆が抵抗するために用いた戦術のことを「ゲリラ」と言ったのが語源だが、もともとは 2000年以上前の「孫子」の時代からあった戦術である。ゲリラ戦が通常の戦争と異なる点は「ゲリラの位置を捕捉し、攻撃場所を予想することが難しい」ということにある。通常の戦争の場合、それぞれの国の軍隊がどこに(厳密にはわからなくても大体は)いるかはわかっているし、軍事境界線に類するもの(いわゆる前線)がある。ところが、ゲリラ戦に「前線」はない。ゲリラがどこから現れるか、どんな手段で攻撃するかはランダムだ。ゲリラは、できるだけ自分の所在、攻撃計画がばれないように準備し、自分に有利な時機、有利な場所で戦闘を開始する。だから、相対的に少ない人数で大きな打撃を与えることができる。(ベトナム戦争の場合は「ゲリラ」と呼ばれるが、「テロ」と呼ばれる行為もそれに類似している。ゲリラとテロの区別が曖昧なケースもしばしば見られる。)また、ゲリラが活動を続けていくためには、当然援助が必要である。非公式の軍隊であるために、食料、弾薬等の物資の補給、情報収集等の面では、ゲリラを支援する組織の存在が欠かせない。一般住民や、外国勢力がそうした存在になることが多いようである。
ゲリラ戦への対処
1 ゲリラの潜伏先を探し出して撃滅する。
2 一般住民の協力者が出ないように、物理的、経済的、宣伝工作的手法等をとる。
3 外国からの支援を阻止する。
ことが必要であるとされている。
1については、通常の戦争と大差はない。敵を見つけだし、それに攻撃を加え、抵抗能力を失わせることを目的とする。2、3は、ゲリラに対する援助を止めて、ゲリラ活動を困難にすることを目的とする。これらの条件は相互補完的なものである。織的に行動できる軍事強制力がなければ、そもそも撃退できないし、いくら潜伏先を探し出そうとしても、住民がみんなでゲリラを匿っていたら探し出すどころか、こちらの動きが筒抜けになり、奇襲を食らう可能性も大きくなる。また、外国からの支援を止めることができれば、有利になる。
ゲリラ戦に勝つためには、行政部門、軍部ともに処理能力が高い、国民に信頼されている政府 の存在が欠かせないことであるゲリラ戦においては、単に軍隊を動かすのではなく、各種情報収集及び宣伝工作、国民の支持を取り付けるための政策、ゲリラと住民を隔離するための政策、といった、複雑な行政活動を執行できなくてはならない。軍事面でも、人数と武装で優位に立ってはいるが、どのようにその兵力を配備するか、といった問題は高度な作戦立案能力を要求する。こうした緻密な活動を長期間(ゲリラ戦を鎮圧するのには長期にわたることが普通である。)展開し続ける能力を備えた政府が無いと、ゲリラ戦に勝つことは(ゲリラが自滅しないかぎり)難しくなる。
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