コミュニティ・スクール
出典: Jinkawiki
コミュニティ・スクール(Community School)とは保護者や地域住民が一定の権限と責任を持って学校運営に参加する事を通して、地域との関係を重視した開かれた学校づくり進める新たな仕組みである。
文部科学省は2004年に地方教育行政に関する法律の一部を改正した。主に組織及び運営に関する法律で、新たに学校運営協議会制度を設置、コミュニティ・スクールの本格的な推進が始められた。 保護者や地域住民が一定の権限を持って運営に参画する新しい学校に関する制度の導入の対象として地域とのつながりが特に深い小学校や中学校が中心になると考えられている。それと同時に地域の実情に応じて幼稚園や高等学校などを対象とすることも考えられている。
コミュニティ・スクールが推進される上での社会的・政治的な背景としては経済・社会の大きな構造改革の中において可能な限り地方分権を進め、権限と責任を「現場」に近いところに移していこうとする流れが急速に進んでいる為である。また、従来は公的部門が単独で担ってきた分野についても保護者や地域の住民等に参画を求め、その力を生かすことによってより良い成果を実現していこうとする動きが顕著となりつつある。特に文化活動や社会教育の分野においては近年、地方各地で特色ある取組が見られるようになっている。公立学校の運営に保護者や地域住民の参画を求めることにより学校を内部から改革しようという考え方はこのような社会全体の大きな改革の流れの中に位置付けられる。
コミュニティ・スクールを取り入れることによって期待されるものは多々あるが、まず各学校の運営に保護者や地域住民が参画することを通じて、学校の教育方針の決定や教育活動の実践に地域や保護者のニーズを的確かつ機動的に反映させることが出来るという点である。さらには教育の場に地域ならではの創意や工夫を生かした特色ある学校づくりを進めていくことで、地域と学校の距離を縮めるといった役割も挙げられる。学校においては保護者や地域住民に対する説明責任の意識が高まり、また保護者や地域住民においては学校教育の成果について自分たち一人一人も責任を負っているという自覚と意識が高まるなどの効果も期待される。最終的には相互のコミュニケーションの活発化を通じた学校と地域との連携・協力の促進により,学校を核とした新しい地域社会づくりが広がっていくことも期待される。
文部科学省は現在全国に調査研究校をいくつか指定し、コミュニティ・スクール推進事業を実施しており、2007年4月の時点で導入している学校は195校(都道府県・指定都市立67校・市町村立128校)である。 調査研究内容としては
・ 住民のニーズを反映させるための具体的方法 ・ コミュニティ・スクールの役割、関係者等との連携の在り方 ・ 効果的な外部人材活用の在り方 ・ 学校の点検・評価の在り方
が挙げられ今後一層の拡大と普及を試みられている。
参考・出典
文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/05/07052513.htm http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/03121701/003.htm