コンカリコース
出典: Jinkawiki
1.目的
「コンカリ」とは、フィンランドで「賢者」を意味し、「校長たるもの賢くあれ!」という願いが込められている。この研修は、校長経験者を対象として行っている。学校経営者として自信を持ち、優れたリーダーシップを発揮できるような校長としてのモチベーションを高めることを目的としている。
2.背景
フィンランドでは、1990年に推進された教育革命と自由化によって、校長の責務が非常に重くなった。育省の学校監査がなくなり、全ては各校の自主判断に任されることになったのだ。地域の実情に合わせた教育を行える一方で、学校運営の全責任は校長の肩にかかり、学校の評価=校長の評価となった。治体や保護者からの突き上げも、校長は直接受けなければならない。改革後の10年間、校長の責務や負担は重くなる一方で校長自身が疲れてしまいモチベーションが上がらなくなってしまったという声が周囲から聞こえてくるようになった。そこで、ユッカ・タンスカ校長は、在籍10年以上のベテラン校長を対象として研修プログラムにあたったのが、「コンカリコース」である。
3.内容
①パーソナルテスト 学校を運営するにあたり、自分の負担を軽減するためには、自分と一緒に働くスタッフを選び育てることが重要である。そこで、どういうタイプの人と組んだ方がいいかということを見極める べく、校長自身の心理・精神状態を分析した自己分析だけでなく、さらに同僚、部下、生徒とその保護者など周辺の人からの客観的な評価を集め、あらゆる角度から徹底的に分析を行った。
②将来に向けた学校づくり計画
自分の学校の将来を考えたとき、現在の学校運営において弱い部分や必要なことを考え、将来あるべき学校の姿に導くための計画を立てる訓練をする。たとえば、現時点で何を最も優先すべきことなのかの判断し、課題の取捨選択方法を学ぶなどがある。
参考文献:「教育立国フィンランド流教師の育て方」増田ユリカ 岩崎書店