コールドチェーン

出典: Jinkawiki

 コールドチェーンとは、冷凍、冷蔵、低温の状態で生鮮食品などを流通させる方式のこと。低温流通体系とも呼ぶ。

概要

 これにより、生鮮食品などの広域流通や長期間の保存が可能となった。日本料理の象徴とされるすしや各種の魚料理も、コールドチェーンの普及前と後では全くその形態は異なっている。 生鮮食品の場合、産地で収穫後すぐに低温冷却して出荷、それを温度管理された物流手段で輸送・貯蔵・仕分けなどを行い、劣化を最小限に抑える。このためには、劣化の少ない冷却方法、温度変化の少ない輸送・貯蔵・仕分方式などの開発が必要である。 例えばマグロやカツオは収穫後すぐに船内で急速冷凍され、凍結されたままで市場で売られ、小売店に到着する。凍結にかかる時間が長いほど、或いは温度が高い(たとえ0℃以下であっても)ほど、氷の結晶が成長して食材の細胞が破壊され、風味が著しく低下するからである。解凍して再凍結するなどすると、最悪の場合スポンジ状になる。これを逆に利用したのが高野豆腐や寒天などである。 「エデンの東」には、レタスを氷で冷却保存して遠隔地に輸送する事業で主人公の父のアダムが大もうけしようと企む場面が出てくる。

コールドチェーン勧告

 昭和40年(1965年)、当時の科学技術庁資源調査会からいわゆる「コールドチェーン勧告」と呼ばれる「食生活の体系的改善に資する食料流通体系の近代化に関する勧告」が出された。この勧告の目的は、高度経済成長を経て我が国の食生活が高度化・多様化する中で、栄養バランスの偏りが顕在化し健康に及ぼす影響が危惧される状況に警鐘を鳴らすとともに、健康で豊かな食生活を確保するために生鮮物を中心にした低温流通体系等を整備する必要性を周知させることにあった。この勧告の後、当時の農林省が中心になって、全国各地に野菜・果実・畜産物・魚介類等の生産流通施設の整備が進められました。コールドチェーン勧告を契機とした、予冷や低温輸送・貯蔵といった低温流通を中心とする技術開発により、我が国における食は、量的充足から質的充足への転換が図られた。

参考文献

コールドチェーン勧告~流通システム研究センター~ http://www.rskc.co.jp/publish/mihon/kihontisiki.pdf

コールドチェーンwikipedia


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