サドベリバレイ校2

出典: Jinkawiki

目次

概要

 サドベリ・バレイ校は、1968年にマサチューセッツ州のボストン近郊に設置された。サドベリ・バレイ校設立の中心人物はグリンバーグ夫妻で、彼らの子供が学校に行く年齢になった時、入学させたい学校がなかったことから、同じ考えを持つ人々と協力し、自分たちの理想とする学校として設立した。サドベリ・バレイ校は、1960年代に世界的に起きた青年運動により新たな教育方法に基づく学校としてできた私立学校の一つである。 グリンバーグ氏によると、学校は「したいこと」をさせているのではなく、「しなければならないこと」をさせている場になっており、本当に「したいこと」を発見し、確信するためには「したいこと」を徹底的に試みることが必要であるとしている。また、徹底的に自分のやりたいことをやるためには、学校の「義務」は一切なくし、子供が自分で何をするか決め、学校スタッフの援助が必要とされた場合のみ援助を行うことが理想にある。


システムと特徴

 4歳から18歳までの子供なら、誰でも入学可能で、幼稚園から高校までを包括している。サドベリ・バレイは、寄宿制をとる多くの私立高に反し通学制で寄宿舎はない。決まったカリキュラムがないため、スタッフ数が非常に少なく、その多くは個別授業の担当のためだけの短期契約なので、人件費がかからない。また、寄宿制私立学校に比べ授業料が1割ほど安く、貧しい家庭の子でも入学することができる。さらに、公的補助金は受けておらず、一人当たり平均2000ドルである。そして、高校卒業の資格を得ることが可能である。社会的なルールを学ぶ場としてスタッフと生徒全員による全校集会でルールが決められ、先生に勉強をみてもらうことも契約として行われる。

 注意点として、原則誰でも入学可能だが、まったく決められた時間割がないことや、学習を自身の意志で行うという教育理念にあう生徒であることが必要である。

サドベリ・バレイに対する批判と考え

 サドベリ・バレイへの賛成は非常に多い。しかし、同様に多くの疑問を持った人がいる。その一つとして、「好きなことばかりしていては、社会に出てから必要になることについての学習ができないのではないか。」という疑問がある。しかし、一般的な授業でもそういった知識が身になっていることは少なく、まして「社会に出て必要なこと」を「言葉、基本的な数学、社会のルール」とするならば、サドベリ・バレイの生徒がそれを学ばずに卒業することはないとグリンバーグ氏は考えている。また、「好きなことばかりしていると、偏った知識になってしまうのではないか。」という疑問があるが、社会が高度に専門分化した知識や技能を組織的に組み合わせ使用する時代においては、むしろ偏った知識で活動することが普通になると考えられている。

参考文献

サドベリー・バレースクール http://www.geocities.jp/democratic_school_in_japan/gaikan.html

国際教育論 太田 和敬 http://www.asahi-net.or.jp/~fl5k-oot/kokukyo2010-2.pdf


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