サマーヒル3

出典: Jinkawiki

サマーヒル・スクール

サマーヒル・スクール(Summerhill School)は、1921年に独・ドレスデン近郊のヘルナウにおいてA.S.ニール氏(彼の同志も含む)により設立された学校である。翌年、学校自体は英に移されている。現在では、英蘭のサフォーク州レイストンに移され、原則寄宿制の寄宿学校及び全日制学校として初等及び中等教育を実践している。フリースクールとしては、最も古いものであり、世界各地のフリースクール設立の先駆けとなった。

設立のきっかけ

A.S.ニール氏(以下、ニールと記述する)は、子供の養育及び育成において最も重視されるべきものは子供の幸福であるとし、この幸福を叶えるために必要なことは、子供に最大限の自由を与えることであるとした。こうした考えは、後の学校設立に大いに関係している。ニールは続けて、子供の自由な発想の機会を奪ってしまうことにより、子供自身の感性が抑圧されてしまい、結果として心理的な不調和を産出してしまうとしている。そこで、ニールはカリキュラムは定めるものの、子供が授業に出ることを強制せず、子供がやりたい事をとことん探究する教育システムを渇望した。そして、既存の学校体制では、そうした自由が認可されることは現実問題かなり厳しいと考え、サマーヒル・スクールの設立へと行動を移す形となった。

特徴

① 学校内の規則やルールといったものは無条件的に強制されるものではなく、生徒と学校におけるスタッフ(教員)が民主的手法である話し合い(スクール・ミーティング)によって決定あるいは変更するものである。話し合いの中では、学校の予算内訳、スタッフ(教員)の査定及び雇用等の重要事項に関しても扱われる。 ② 生徒は学習計画を各自で自由に選択することが可能であり、全ての生徒は限定された教科教育を強制されることはなく(学校側からの学習の強制も無論ない)、自身の考えに基づいた授業時間割の作成が可能である。 ③ 生徒を、通常の教育のように年齢及び学年等で区別することはなく(つまり学級という単位での集団行動を強制されない)、生徒は何の制約を受けることなく他の生徒とあらゆる交流が可能である。 ④ 学校内においては、生徒・スタッフ(教員)間に上下関係といった関係性は存在せず、対等で平等な立場と権限がある。また、生徒の保護者は学校自治の在り方への干渉を認められない。 ⑤ 他の生徒へのいじめ的行為あるいはいやがらせ的行為、暴力問題等の規則違反が生じた場合、選任された生徒及びスタッフ(教員)が代表して、生活指導及び問題解決のための教育方針を決定する。 ⑥ 学校内においては、民主的で公平的な話し合い活動により、規則を策定あるいは変更するため、独裁的な権威及び恣意的規則は用いられず、適正な法手続き及び議論過程が重視される。

<参考文献>

「ニイルと自由な子どもたち―サマーヒルの理論と実際」著・堀真一郎 「自由教育(フリースクール)をとらえ直す―ニイルの学園=サマーヒルの実際から」著・永田佳之

<参考URL>

「ウィキペディア―サマーヒル・スクール」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB 「A.S.Neill’s summerhill」 http://www.summerhillschool.co.uk/

投稿者nagano


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