ジャン・ピアジェ

出典: Jinkawiki

ジャン・ピアジェ(Jean Piaget, 1896年8月9日 - 1980年9月16日)は、スイスの心理学者。20世紀において最も影響力の大きかった心理学者の一人。知の個体発生としての認知発達と、知の系統発生としての科学史を重ね合わせて考察する発生的認識論を提唱。発達心理学者としては、「質問」と「診断」からの臨床的研究の手法を確立。子どもの言語、世界観、因果関係、数や量の概念などの研究を展開した。 スイス西部ヌーシャテルに生まれる。ヌーシャテル大学で動物学を専攻したが、その後、子供の認知発達の分野に関心を向け、1921年以来ジュネーブのルソー研究所でこの分野の研究に没頭した。1955年、発生的認識論国際センターをジュネーヴに設立し、世界中のさまざまな分野の研究者たちとの共同研究を晩年まで精力的に行なった。共同研究者の中には科学哲学のマリオ・ブンゲ、トーマス・クーン、人工知能研究のシーモア・パパートらがいる。1972年、エラスムス賞を受賞する。

思考発達段階説  ピアジェの理論では、思考の発達は次第に新しい構造が出来てくるという方向性をたどることになっている。それらの構造に応じて、いくつかの段階(ピアジェは「時期」-periodと呼ぶ)に分けると、それぞれの段階は次のような特色を持っている。

1)各々の段階が生じる順序は一定で、段階の生じる年齢には個人差があっても、順序は変わらない。 2)各段階は、それぞれ全体構造で特徴づけられている。 3)これらの全体構造は、先行の構造から生じ、先行の構造を従属させ統合するものである。簡単に言うとレベルアップするごとに前の構造に積み重ねていくってこと。

 ピアジェの段階説では、知能の発達は次の4つの時期として展開されていく。

1)感覚運動的知能期(period of sensory-moter intelligence)0-2歳

乳児は、対象の認知を感覚と運動によって行う。やがて、もろもろのシェマ(スキーマのこと。基本的行動様式)を協応してゆき、意図的に対象に働きかけるようになる。8、9ヶ月以降では、じゃまになるものを退けてボールを取る、というように、手段と目的を結ぶ関係が成立する。(知能の芽生え)また、この時期の終わりには、見えなくなったものを探すというように、対象の永続性が完成する。

2)前操作期(preorerational period)2-7歳

行為が内面化し、「ごっこ遊び」のようなシンボル機能が生じる。しかし、思考は自己中心的である。思考はなお操作的説特色を持たず、保存も可逆性も成立していない。

3)具体的操作期(concrete operational period)7-12歳

この時期の間にもろもろの保存が成立し、可逆的操作も行えるようになる。自己中心性も脱し、他者との相互作用の中での思考も可能になる。さらに、一定の構造特性を持った群性体が成立する。しかし、思考内容は未熟で、具体物に対して運用されない特色を持っている。

4)形式的操作期(formal operational period)12-3、4歳

この青年期の初めの頃、一生続く形式的、抽象的思考操作が可能になる。科学実験も確実に行えるようになり、「もし~であれば」と、いった、仮説演繹的思考も行えるようになる。

参考文献 最新教育心理学 桜井茂男編 図書文化 2004/1/25発行 関連URL www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/psy/piajet.htm ja.wikipedia.org/wiki/


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