スウェーデンの中学校生活
出典: Jinkawiki
スウェーデンに住む七歳から十六歳までの子供たちすべては、学校教育(義務教育)を受けなければならない。基礎学校とは日本の小中学校に相当する。義務教育は八歳になる年の秋学期から16歳になる年の春学期までである。しかし、親が望む場合は6歳から修学可能であり、各市町村は就学を希望するすべての6歳児を受け入れなければならない。 実際は一年生クラスの下に○年生クラスを設置し就学前教育を行う市町村も多いので、九年生義務教育が十年生義務教育になっていることが多い。
基本的に 一クラスに2人の学級担任がつき、クラスの半分を受け持つ。 三者面談やホームルームも同様である。
中学一年生が入学し手最初に試練となるのが ノル・メルクニングという学校の裏行事である。 上級生が、新入生を池につきおとしたり、服の上からシャワーをかけるなど「歓迎」の意味を込めて行う悪ふざけのようなものである。 生徒の間では「自分達が入学するときにやられたことを、新入生にやるのは当然の権利」という風潮が広まっているが、学校では禁止されている。
新入生たちは、入学し1ヶ月は上級生達につかまらないかとかなり神経質になっている。また学校側はノル・メルクニングを認めていない。
学期に一回は保護者のクラス会議が行われている。クラスに対する意見や苦情を聞くことが主な目的である。また、生徒達はクラス旅行費捻出のために、クッキーやケーキまどをつくって親達に販売している。スウェーデンでは妊婦・無職の場合を除いて両親とも働いていることが多いため、通常クラス会議は夜7時から行われている。
クラブ活動は基本的に存在しない。生徒達はそのコミューン内のスポーツチームに参加して活動する。顧問や監督は保護者があいている時間にボランティアとして務める。
運動会というものはなく、学校ごとにスポーツ大会が行われることはあるが親達が参加したり、見に来ることはない。
日本のような修学旅行といったものは存在しない。各クラスが行きたい時に個別に行う。学校の授業とは無関係なので、旅費はすべて生徒負担である。また、クラス担任、保護者が同行する場合も、その費用もクラス持ちになる。なので、生徒達はアルバイトをするなどして旅費を捻出する。 具体的にクラス旅行は校外学舎とプライベートな旅行の2種類ある。 校外学舎とはいわゆる社会科見学のようなものである。通常四泊五日程度で行われるが、特に日数は決まっておらずクラスでの相談となる。校外学舎ではクラス担任が引率責任者となる。また個別の旅行であるため、引率教師は他のクラスの授業と旅行がかぶる場合がある。その場合、代理教師を自分で探し、その日やるプリントなどをすべて作っておく プライベートな旅行は、担任が引率する義務はない。基本的には生徒の親達が同伴者となってついていく。担任が一緒に同行する場合は、校外学舎と同様に代理教員とその日の授業計画を作成しなければならない。
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参考文献
宇野幹雄. (2004). ライブ! スウェーデンの中学校 ー現場教師ならではのリポートー. 信評論.
三瓶恵子. (2004). スウェーデンハンドブック. 早稲田大学出版部.