スタディハウス
出典: Jinkawiki
科目の壁を越えた総合的な学び、また知識を受け入れるのではなく、自分で自分の考えをまとめるという積極性・自立性、知識そのものではなくて知識を処理する様々な技能の発達などに力を入れるということが「スタディハウス」の制度改革の意図するところである。この改革が行われた背景には、大学や高等専門学校などから中等教育の現状に対する苦情があったからだといわれている。70年代方続いてきたそれまでの制度では、生徒は進学を希望する大学や高等専門学校の学部・学科へ入学するために科目を選んで学ぶというものがほとんどであった。そのため、最近の大学に進学してきた新入生は、知識は持っているがその知識をどのように使ったらよいのか良く知らない学生が多いという指摘や、自立的に情報を集め、処理し、理論的に報告し、自分の考えで持って議論する力がないとも指摘されるようになってきたのである。
急速に発展してきた情報化社会では子ども達が受信でき、また実際に触れている情報量は学校で教員や教科書で教わる知識町をはるかに越えていることも事実としてある。そのため、単に知識を伝達することに留まらず、多種多様な情報をどのように処理するか、その技能を教えることに力を入れていかなければならない。
つまり、こうした能力を付けていくためには「スタディハウス」の改革の骨子が次のようになる。①高等教育への接続をよりスムーズにするための種種の技能(情報を取捨選択する・調査する・書く・話す・問題を解決する・交渉するなど)を教えること、②子どもが対象に自発的に働きかけ、自立的に学ぶようにすること、③進路ごとの共通の必修科目のほかに、生徒の一般的な発達のために、各科目の領域を越えた総合的な科目を導入するkと、の3点である。
参考文献:「オランダの教育」 著:リヒテルズ直子