スプロール現象
出典: Jinkawiki
スプロール現象とは都市が無秩序・無計画に広がっていく現象のことです。
問題点
一般に都市部は国や地方自治体によって都市計画が定められたり、様々な規制がされていますが、急激に市街化が進み郊外の宅地開発などが進むと都市計画の想定を超えて都市が広がっていきます。
そのようにして開発された地域は道路の状況や周辺環境との調和が保たれず、酷い交通渋滞が起きたり、環境破壊が進んだり、災害に弱い街になったりと、さまざまな不都合が生じます。
また、一度開発され分譲された地域は多くの所有者が存在するため、後から整備するのは極めて困難になります。
高度成長期からバブル期にかけてはこのような現象がよく見られましたが、幸か不幸かその後の長引く不況、不動産価格の下落、エコロジーへの関心の高まりなどからこのような乱開発は少なくなったように思います。
対策
スプロール化防止に有効なのは、公的機関などによる大規模な区画整理である。区画整理を都市開発に先立って行うことで、敷地を整形にすることが可能になり、都市機能が向上する。しかし、区画整理にも地権者の合意が必要なため、中々事業が進まない事例も多く見受けられる。
都市を新設する際に、計画性を前面に押し出し碁盤の目のような街路などを形成する方法がある。東アジアの古代都市や、近代においてはアメリカ合衆国や北海道の都市などがそれにあたる。しかし、都市がその計画範囲を超える場合は、スプロール化する可能性がある。都市の地図などで、都心部が合理的な区画になっているのに対して郊外が無計画化しているものが見られるのは、このためである。例として、北米の都市は、近代的な都市計画に基づいて設計されたが、モータリゼーションの進展により都市範囲が飛躍的に拡大したことなどから郊外でスプロール化が散見されるようになった。また、日本の相模原市においては旧市部のうち北部地区は第2次世界大戦中からの都市計画によって整然とした区画になっている一方で南部地区ではスプロール化が激しいなど、同一市内で同程度に発展していても地区によってスプロール化が進行することもある。
特に、市町村に都市計画の権限のあるアメリカ合衆国においては保守的な州を中心に規制の緩やかな自治体も多く、規制の緩やかな地域ではスプロール化は盛んに起きている。規制の緩やかな地域は住宅地が豊富に供給され地価も安いため、中産階級に人気があり、開発が進む傾向がある。
欧州各地に設置されたローマ都市では都市城壁が、都市の拡大そのものを抑制しており都市計画の合理性が保たれる結果となっている。これは、首都のローマ市が無計画に拡張した反省からであると考えられている。
反論
スプロール化した住宅地は、計画性に乏しいが故に逆に土地区画、住宅の種類や形態、住宅の供給年代の多様性をもたらしている。このため住民の年齢構成の偏りや多様な所得階層の存在という特徴も有し、そのため計画的に形成されたニュータウンで指摘されるような人口減少や急速な若年層の減少、高齢化といった諸問題を緩和させているという側面も持っている。
スプロール化された郊外は、人口密度が比較的低く押さえられる限りは、住宅周辺に細分化された状態で田畑や山林が残る。しかし、かかる田畑や山林は未だ宅地化されていないだけであって計画的に保全されたわけではない。つまり、いずれ開発業者によって無秩序に開発され、結果的に地域が狭小住宅の密集地と化す可能性があるので、住環境を保つためには、スプロール化が進みすぎない段階で規制をかける必要がある。
ハンドル名:いご
http://www.pddk1.com/sumai/00300.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%8F%BE%E8%B1%A1