スポーツ相談

出典: Jinkawiki

スポーツ相談

スポーツ相談概念

スポーツに取り組む人が、自分にとってよりよいスポーツ環境を求めたり、スポーツからより多くのものを得たいと考えるのは当然のことであり、そこから派生する様々な悩みや不安、問題にも直面することになる。 スポーツ相談とは「スポーツに関わる不安や悩み、問題などを抱えている人に対した、人間関係を基盤とした心理的援助をしていく営み」といえる。 すなわち一方では、自分の競技力や運動能力を向上させたい、試合で実力を発揮したい、練習の成果が今一つあがらない、所属しているクラブにうまく適応できないなどの悩みや問題を抱えているスポーツ選手に情報を提供したり、心理的支援をしながら問題の所在を明確にし、自己理解を深めさせ、問題の解決を目指す領域がある。 さらに他方では自分の健康状態や体力のレベルの維持・増進のためにあるいはレクリェーションのためにスポーツ活動を行おうとしている人が直面する様々な問題を解決の方向に心理的に援助する領域がある。 スポーツ相談の内容は、悩み事を持って相談に来た人の年齢、性、職業、過去のスポーツ経験、体力や運動能力のレベル、健康状態、興味や関心などにより非常に幅広く及んでいるので相談を受ける者は様々な領域に関する専門的知識を持っていなければならない。しかしもっと大切なことは、相談者自らがスポーツの愛好家であり実践家であることスポーツの持つ功罪を正しく理解していることである。そして人が好きなことも相談者の資質の一つである。相談者がスポーツをすることによって自分の人生に恩恵を受けていなければ、他人の生活にスポーツを位置づけることなどできはしない。

スポーツ相談の目的

スポーツ相談の目的は、来談者の持つスポーツに関わる悩みや問題を解決に向けて援助することである。 スポーツ相談の内容は、一般的なカウンセリングのようにクライエントが深刻な心の悩みを抱いてカウンセラーのもとを訪れることは少なく、からだやこころのよりよい状態や、よりよいスポーツ環境を求めての相談が多い。それゆえにスポーツ相談の場合は、学校におけるカウンセリングやスポーツカウンセリング等と同じように、面接室で一対一で行うだけに限定されない。 相談の内容によっては、情報提供だけで問題を解決する場合もあるが、それ以外のケースは一定の期間内で来談者が満足のいく解決をみることは少ない。 そこで現実的には、来談者の協力のもと問題の解決に近付いていこうとする姿勢が大切になってくる。悩みや問題を解決する主体はあくまで来談者自身であり、相談者は援助者である。来談者が問題の解決に向けてスポーツ行動を継続するように意欲を引き出し、主体的に取り組ませることが大切である。 すなわち、スポーツ相談の目的は、来談者の抱える問題の完全な解決というよりは、これまで以上に、スポーツを主体的・積極的・建設的に取り組み、その価値を高め、スポーツをやることでより大きな満足感や幸福感を獲得できるようにすることである。

参考文献

落合優 健康スポーツの心理学 建パク社


  人間科学大事典

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