セサミストリート
出典: Jinkawiki
歴史
『セサミストリート』は、アメリカの非営利番組プロダクション「セサミ・ワークショップ」が制作するマペットキャラクターを使った子供向け教育番組、及び同番組の舞台となる架空の通りの名前である。元々はスラムなどに住むプエルトリカン、黒人などの子供たちが小学校就学時に、少なくともアルファベットや10までの数を数えられるように、合わせて学力の底上げを狙った番組であり、ヘッドスタート計画の一つである。番組の舞台も音楽もすべてそのような子供たちに親近感を持ってもらえるような工夫がされている。アメリカでは、そうした子供たちの基礎学力はこの番組で明らかに向上したが、白人中流家庭でこの番組を視聴した子供たちの学力の伸びはそれ以上で、学力平均は上がったが学力格差はなくならなかった。 『セサミストリート』の由来は、アラビアンナイト(千夜一夜物語)の『アリババと40人の盗賊』の中に出てくる呪文「開けゴマ(open sesame)」からきており、「宝物が隠されている洞窟が『開けゴマ』の呪文によって開いたように、この番組によって子供たちに新しい世界や知識の扉をひらいてほしい」という願いが込められている。 現在、世界180の国々で放送されており、日本における『セサミストリート』の権利の管理などは、セサミストリート・パートナーズ・ジャパン(Sesame Street Partners Japan、通称:SSPJ)によって行われている。
評価
アメリカ本土での評価は高く、単なる子供向けの教育番組にとどまらず、有名ミュージシャンが手がけた良質な音楽や、古い映画・テレビ番組のパロディなどもあるため、大人のファンも多い。また出演者の妊娠・出産・死去などについても、教育の一環としてドラマに取り入れ視聴者へ伝えていた。 1971年に、NHKが制定した教育番組の賞である第7回日本賞グランプリを受賞し、一気に世界的評価を得た。デイタイム・エミー賞も91個受賞している。また「最も人気のある子供向け教育番組」としてギネスブックにも登録されている。日本の子供番組『ひらけ!ポンキッキ』は、当番組をモデルに制作された。
日本での放送
日本では日本賞受賞を契機に、賞を設けたNHKが教育テレビで英語教育番組として英語オリジナル版(以下、オリジナル版と記す)を1971年の夏休みと冬休みに放送し、1972年4月9日からオリジナル版でレギュラー放送が開始された。しかし、制作プロダクションであるセサミワークショップが幼児向け教育番組としての日本版の共同制作を要望したことに対し、NHK側は英語教育番組としてのオリジナル版の放送を継続したいということで折り合いがつかなくなり、2004年4月3日をもってNHKでの放送を終了。NHKとグループのサイトに開設された関連ホームページも程なく削除された。このため、現在、NHK時代のセサミストリートについて調べることは、困難となっている。 NHK版の終了から半年後、テレビ東京系列で日米共同制作による日本版セサミストリートが2004年10月10日(午前9:00~)より放送が開始された。BSジャパン・アニマックスでも時差放送されていた。日本で製作されたマペット劇が中心で、オリジナル版のように「今日の文字」や「今日の数字」などはなく、「心、自我、感情表現」や「自然、環境」をメインに取り扱っている。日本のセサミストリートにはコンビニがあり、さらに、ストリート以外でも「セサミの森」という場所が登場する。また、アメリカなどで制作されたライブラリ映像を放送したり、「イングリッシュ on ストリート」という英語を教えるコーナーも登場している。この番組内では日本だけのオリジナルキャラクターが登場している。しかし視聴率の低迷により、2007年9月30日を以てテレビ東京系列での放送を終了した。