テロ

出典: Jinkawiki

目次

概要

テロリズム(terrorism)とは、政治的に対立する個人または集団に対して、その肉体的抹殺をも含めて、組織的暴力を加える行為、またはそれを容認する主義のことをいう。実行者が単独であっても、その動機に政治的主張があればテロリズムと呼ぶ。テロリズムにのっとった行為・手段、およびそれらによって敵対者を威嚇することをテロル(terror)と呼ぶ。またテロリズムを標榜してテロルを行う者をテロリストと呼ぶ。 日本では一般的にテロリズムとテロルの双方を指してテロと略す。

日本では国内法において「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを共用し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で多数の人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊する行為」と定義されている。 (自衛隊法81条の2第1項)


テロの種類

※ ()内はテロを起こした国、人物。

国家テロ

フランスの革命者ロベス・ピエールの革命期における「恐怖政治」のように権力者によって系統的になされるテロのことである。

日本

・北朝鮮による日本人拉致

世界

・1961年4月 ピックズ湾事件(アメリカCIA)

・1968年1月~2月 青瓦台襲撃未遂事件(北朝鮮)

・1973年8月8日 金大中事件(韓国中央情報部)

・1976年10月6日 クバーナ航空455便爆破事件(フランス対外治安総局)

・1985年7月10日 虹の戦士号爆破事件(北朝鮮)

・1988年12月21日 パンナム機爆破事件(リビア)

赤色テロ

反体制派の共産主義者・政権掌握したばかりの共産主義者によるテロをのことである。

世界

・1917年~1924年 ソ連での富農、聖職者、敵対勢力の粛清(レーニン)

・1920年~1925年 ソ連でのアナキストの圧殺(トロッキー)

・1940年8月20日 トロッキー暗殺(スターリン)

黒色テロ

アナーキストによるテロのこと。

日本

・1910年5月 幸徳事件(幸徳秋水他)

・1923年12月 虎ノ門事件(難波大助)

・1932年1月8日 桜田門外事件(李奉昌)

世界

・1898年9月10日 エリーザべト事件(オーストラリア皇太后)暗殺事件

白色テロ

権力側によるテロのことである。

日本

・1923年9月3日 亀戸事件(軍及び警察による戒厳乱用) ・1923年9月16日 甘粕事件(甘粕正彦他)

世界

・1936年~1938年 大粛清(ソ連、スターリン政権)

・1947年2月~3月 二・二八事件(台湾、国民党政府)

・1975年~1979年頃まで (カンボジア、クメール・ルージュ政権)

・1980年5月18日~5月27日 光州事件(韓国政府)

・1989年6月4日 天安門事件(中国政府)


他にも、宗教原理主義によるテロ、民族主義によるテロ、左翼過激派、右翼過激派によるテロがある。


ここで有名な2つのテロをあげる。

地下鉄サリン事件

1995年3月20日、カルト新興宗教団体オウム真理教による化学兵器サリンを使用した無差別テロ事件。東京都の朝の地下鉄で、サリンをばらまいたため、死者を含む多数の被害者を出した。民間を標的とした世界初の毒ガステロ事件であり、日本の社会のみならず、世界に大きな衝撃を与えた。14年たった現在も、サリンまたは事件の後遺症に悩む被害者は多い。

1995年3月20日月曜日、午前8時ごろ、東京都内の帝都高速度交通営団(現 東京メトロ)丸の内線、日比谷線で各2編成、千代田線で1編成、計5編成の地下鉄車内で化学兵器として使用される神経ガスサリンが散布され、乗客や駅員が12人死亡、5,510人が重軽傷を負った。

アメリカ同時多発テロ事件

2001年9月11日にアメリカ合衆国で発生した、4つのテロ事件の呼称である。航空機によるテロとしては未曾有の規模であり、全世界に衝撃を与えた。アルカイーダによるハイジャックした航空機を使った自爆テロである。

一度目のテロは、ニューヨークにある世界貿易センタービル・ツインタワーの北棟に、8時46分ハイジャックされたアメリカン航空11便が直撃した。直撃を受けビルは爆発炎上。しかし、この時点では、多くのメディアがテロではなく単なる航空機事故として報じた。

二度目のテロは、9時3分南棟にユナイテッド航空175便が直撃、爆発炎上した。2機目の衝突は1期目の激突後に現場のテレビ中継を行っていたために、世界中の人々がリアルタイムで、衝突の映像を見ることとなった。

特にツインタワー北棟での人的被害が大きく死者は約1,700人であった。ニューヨークでは合計で、2,749人が死亡した。

三度目のテロは、アーリントンにあるアメリカ国防総省本庁舎ペンタゴン。9時38分アメリカン航空77便(ボーイング757)がペンタゴンに突入した。

四度目のテロは、ハイジャックされたユナイテッド航空93便の乗客が奪還に動いたことにより、テロリストが10時3分機をペンシルベニア州シャンクスヴィル(ワシントンD.C.北西240㎞の場所)に墜落させた。それ故、標的は不明で、ワシントンD.C.の場所だと考えられている。 あるかイー打破国会議事堂が第4の標的になっていたと主張している。

4つのテロの被害は、死亡者2,993人(19人のテロリスト含む)、負傷者6,291人以上、遺体が確認されていない行方不明者24人となっている。


参考文献

・スーザン・バック=モース 村山敏勝訳 「テロルを考える イスラム主義と批判理論」(みすず書房)

・ブリタニカ国際大百科事典

・日本史用語集(山川出版社)

・世界史資料集(山川出版社)


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