ディズニー化

出典: Jinkawiki

目次

ディズニー化とは

ディズニーランドの営業形態を例として、現実とは離れ完全無欠の夢の世界を作り出すことによって理想を追求し続けた結果、その場に身を置く人自身も周囲の環境や従業員によって感化され現実の自分自身ではなく、理想化された自分を無意識に演じきってしまう、といったような諸現象。


原因

ディズニー化が起こるのはディズニーランドの社員教育や環境設定が原因であると考えられる。「夢の国」で働く社員や従業員は皆、画一的かつ理想的な接客者として徹底された教育を受けるため、来場者は心地よいサービスを提供される。しかし、そのあまりに徹底された教育・指導によって管理された彼らは一方で人間味を失っているようにも見受けられる。常に笑顔を絶やさず、クレームにも感情的にならずに対応し、また来場者が如何にディズニーランドという空間を楽しめるかを最優先に働く。これは接客業の観点から見れば鏡のようなものだが、従業員も客と同じ人間である以上そこまで徹底されることによって、むしろ本来の感情を失いかねないのではないか、ということも問題視されている。また、ディズニーランドでは弁当類は一切持ち込み禁止で、ビニールシートを広げて食事を摂ることや飲酒(ディズニー・シーでは酒類の販売をしている)、歩き煙草等も厳禁である。これらは従業員が発見次第、ただちに止めるよう勧告される。このように従業員の指導だけでなく、ディズニーランドという場所そのものの管理も理想や夢という観点から徹底されているといっていいだろう。それによって完全に理想世界へと足を踏み入れた来場者たちも非日常的な空間にいることによって感化されることになる。


あるディズニーマニアの話では、「ディズニーランドでは自分もみんなも優しい人になれる」という。

一見とても結構な話のように思えるが、裏を返せばディズニーランド以外、日常的空間において彼らは「優しい人」ではない、もしくは少なくともそういう面もある、とも言える。これは先にも述べたとおり、来場者に限らず従業員にも言えることであろう。


問題点

理想を徹底するあまり現実とのギャップを生みすぎた結果、本来の自分を失いかねないというリスクがディズニー化の一つの大きな問題点であると思われる。

この現象がディズニーランドにいる時間のみに限られたものであるとすれば、現実から解放され心地の良い空間を満喫できるということでなんら問題はなく、むしろ素晴らしいことであろうが、もし現実とのギャップを感じたことにより何らかの精神的ショックを受けたり、無気力に陥ったりするようなことがあればこれは問題視されてしかるべきことである。

しかしながら、ディズニー化が最も浮き彫りにしている問題は上記のようなことだけではなく、そのような理想世界と現実が如何にかけ離れたものであるか、そして多くの人々がディズニーランドを愛して止まないのは、それだけ現実世界に疲弊しているためではないだろうか。


補足

ディズニー化と並行して、マクドナルド化もしばしば論題に挙げられるのでそちらも参照ください。

Jinkawiki - マクドナルド化


参照URL

"学習通信"2003.09.16


~MaY~


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