デノミネーション
出典: Jinkawiki
デノミネーションとは
デノミネーションとは、今までのお金の単位を新しいものに変えることを。日本円に例えると、現在の100円を1新円・1両というようにする措置。略して「デノミ」とも呼ばれる。 デノミが行われると、様々な物やサービスの価格、債権・債務の金額、為替レートは同じ比率で換算される。後日新単位で表示され、紙幣デザインも変更する。デノミのしくみとしては、例えば100分の1のデノミが行なわれると、1,000円の品物は10新円で売られる。また、1ドル=100円という円・ドルレートは1ドル=1新円となる。したがって、インフレやデフレ、あるいは為替レートの切り上げ・切り下げと違って、特定の債権・債務、資産が有利・不利になることは理論的にはない。
北朝鮮のデノミ
社会主義国の北朝鮮では、経済はすべて国が管理する体制が敷かれている。そのため、一般的に賃金や生活に最低限必要な米や衣服などの物資は平等に国から支給される。だが北朝鮮には国営商店というものがあり、配給で足りない生活物資や酒・タバコなどの嗜好品はここで買えるようになっている。しかし実態はというと、95~97年頃豪雨による大洪水の被害をうけてから、配給が途絶え、国営商店にもモノがなくなり、国民の生活は苦しくなっていった。ここで、闇市場というのが生まれた。闇市場というのは、国から認められていない市場で、人々はそこで勝手にものを売り始めた。この闇市場がのちに政府公認の総合市場となる。しかし、社会主義体制をとっているため貧富の差が生じてしまうのは問題であるため、これを解消するために、総合市場で大儲けする人たちの収入に合わせて、労働者の賃金を約18倍に上げた。闇市場が総合市場になる以前は110ウォンだった労働者賃金が2000ウォンとなった。デノミを行うと、古いお札を新しいお札に交換しなくてはならない。北朝鮮は、交換できる金額を10万ウォンと制限した。そのため、それ以上のお金は紙屑となってしまった。言ってみれば、北朝鮮のデノミは、タンス預金をパーにして強制的に貧富の差をなくす政策でもあったという見方もある。
出典
池上彰の学べるニュース2 池上彰 海竜社