デンマーク
出典: Jinkawiki
1、基礎データ
面積 4万3千平方キロメートル(九州とほぼ同じ)
人口 約551万人(2009年デンマーク統計局)
首都 コペンハーゲン(コペンハーゲン市の人口約50万人 2007年調査)
言語 デンマーク語
宗教 福音ルーテル派(国教)
2、デンマークの地理
デンマークは平らな国である。というのも標高170メートル強がデンマークで一番高い地点なのである。デンマークはこのように山がないため、日本の九州に近い国土を西の北海から吹き込んでくる偏西風がさえぎられることもなく一挙に駆け抜けていく。雲がどんどん流れて行き、そのため天気がよく変わり、晴れていたと思ったら雨が突然降ることがたびたびある。そのためだろうか、デンマークでは傘をささず、雨に濡れながら平気で歩いている人が目につく。
一方、偏西風が山にぶつかって大雨になることがないため、降水量自体は少なく、1990年以降の平均では年間降水量は約745ミリであり、世界平均の約880ミリより少なく、日本の約1700ミリよりずっと少ない。また、このため北国であるにもかかわらず、大量の雪が降り高く積もることもまれである。
3、デンマークの政治
デンマークでは、議院内閣制と比例代表制度のもとで多党制のデモクラシーが確立し、議員の比率に見る男女平等も世界で上位にある。また、デンマークは育児支援や高齢者ケアの水準の高い国家、オーフス条約の舞台を提供した環境意識の高い国として知られる。対外的には、北欧で最初にEUのメンバーになったほか、国連やNATO(北大西洋条約機構)、OSCE(欧州安全保障協力機構)、北欧協力、そして開発援助を通じた国際協力、平和構築にも積極的である。
福祉国家としてのデンマークは、北欧型もしくは「社会民主主義モデル」に分類されるが、スウェーデンのような就労促進政策よりも、生活水準向上に重きを置いていた。これを北欧型とドイツのような大陸型の福祉国家との中間であると見ることもできるが、政治学者ゴウル=アナセンによれば、たとえ失業していても「アウトサイダー」として疎外されない社会像こそが「デンマーク・モデル」の根幹にある。
参考
村井誠人 「デンマークを知るための68章」 明石書店